蒼鷺とは何をイメージしているのですか?
Re: 蒼鷺投稿者:まつ@管理人投稿日:2011/10/12(Wed) 18:04No.153侑さん、はじめまして。
さっそくで申し訳ないのですが、質問の意味がいまいち理解できませんでした。もう少し具体的な文章で書いてもらえれば、私を含め答えられる人もいるかと思います。
作者がアオサギに何かを象徴させたかったのではないかというご質問なら、下のページに詩の解釈がいろいろ書かれているので参考にしてみてください。
合唱曲「蒼鷺」(当掲示板の投稿を保存したものです) ⇒ http://www.grey-heron.net/forum/58-chorus/
ただし、質問の答えを期待して探すとたぶん途方に暮れますよ。この詩に何を感じるか、どんな意味を見いだすかは人それぞれ、正解はありません。Re: 蒼鷺投稿者:もんち投稿日:2011/10/13(Thu) 20:20No.154青鷺は鳥だよ。
知ってるか…。
初めまして。中三のonyと申します。
歌い方についての質問ですが、よろしいでしょうか?
楽譜のGの頭から五小節目、"凍原の上に"の部分なんですが、男声がかなり高い音で歌いますよね。そこを、1オクターブ下げるべきか、それとも原曲キーで歌うか、どっちの方がいいでしょうか。
僕のクラスは、高音が出せる人が多く、キーとしては大丈夫なんですが、どうしても高音のため息のスピードが速く、楽譜ではmPなのにmFぐらいの大きさになりがちなんです。
曲の雰囲気的にはmPが合うところなので、迷ってます。どうしたらいいでしょうか?
Re: 初めまして投稿者:もんち投稿日:2011/10/05(Wed) 18:36No.148あたしは 原曲キーで歌ったほうがいいとおもいます。
男子はキツイかも知れませんが その方が絶対綺麗な
合唱になるはずです。Re.Re.初めまして投稿者:ony投稿日:2011/10/10(Mon) 23:27No.149お返事ありがとうございます。
原曲キーで頑張ってみます。
今 女子の間で「結局 青鷺って死んだの…?」と
疑問になっています。
どうなんでしょうか・・・。死んだ 死んでないと女子が
2つに分かれてしまうのは避けたいので…。
分かる範囲で構わないので教えてください<(_ _)>
Re: お久しぶりです投稿者:まつ@管理人投稿日:2011/10/04(Tue) 19:07No.145こんばんは、もんちさん。合唱コンクール、まだだったんですね。
「アオサギが死んだのか」という質問はこれまでもたびたび寄せられています。皆さん、どうしてもそこが気になるようですね。はっきり言いますが、アオサギは死にません。この詩の中にはどこにもアオサギが死んだとは書かれていません。ただ動かないだけです。いつまでも微動だにせず立ち尽くすのはアオサギの特徴であり、何か異常なことが書かれているわけではありません。もっとも、大袈裟には書かれています。詩の中に「季節は移る」とあります。季節が移ってもアオサギは動かないわけです。これが事実なら、アオサギはとうに死んでいます。けれども、この詩は事実を描写したものではありません。頑として立ち尽くすアオサギはいわば架空の存在です。詩人が自身が思い描くひとつの世界を表現するためのモチーフなのです。アオサギが死んだと考える方は、「許さぬ枯骨となり」や「凍った青い影となり」に実際の死を連想するのだと思いますが、これらも動かないことを強調するための単なる比喩にすぎません。
私も以前はここまで断定的には考えませんでした。けれども、この詩が収められている詩集「凍原の歌」を読んで、ずいぶん視界がクリアになりました。少し前にもここで紹介しましたが、彼の「北海道」という詩の中に、詩人の立ち位置がかなり凝集して書かれていると思われる部分があるので紹介します。
『併し天然は常に小さな人間の血と汗を一呑にして あがく悲嘆を絶望の底につっぱなし 更に冷酷な狡猾は勤勉を食ひあらし さまよふ騙詐は素朴をかすめさった だが風がたち日影がさせば 土の子は倒れた豆の支柱をなほし 無残に踏み荒された暴力の足跡に もう一度腰をかがめて不撓の種子をうづめる このきびしい北方に生きるためには 常に休みなきたちなほりを要求され 鈍重絶えて敗退を忘れ 天の理法に則し 地の法則にしたがひ 小さくたよりなき自らをたよるよりない』
これを読めば、アオサギは死んだのではという疑念は一掃されるはずです。まあ、詩ですから、読むほうが自由に解釈して読めばいいので、アオサギが死ぬと考えることでその人なりの世界が思い描けるのならば、それはそれでいいと思います。ただ、少なくともこの詩をつくった本人は、作品の中に死の概念は微塵も入れなかった。私はそう思いますよ。Re: お久しぶりです投稿者:もんち投稿日:2011/10/05(Wed) 18:32No.147いつも 納得できるコメントありがとうございます。
合唱コンは今月の26日です。
小規模の中学校ですが夏休み前から練習しているのです。
青鷺を見習って死なずに頑張ります((笑)
今度、文化祭で蒼鷺を歌います^-^
私はその指揮を振ることになったのですが、
詩の 動かぬ の部分が一番大切な気がするのですが
音楽的には、胸毛をふるわす~熱情 の部分が
すごく印象に残りやすい気がします。
どこが更科源蔵さんの一番伝えたかったところなのか
クラスでもすごく意見が割れています
参考程度でもいいので
まつ@さんの意見お聞かせ願えないでしょうか・・・
Re: 初めまして投稿者:まつ@管理人投稿日:2011/10/03(Mon) 18:15No.143ponponさん、はじめまして。
この掲示板、お答えするのがほとんどいつも私なので、なんだかそういうもののように思われてますが、訪問者が少なくて結果的に私がお答えしているというのが実状です。本当はここに来ていただいた皆さんどうしで議論できるのが理想なんですけどね。まあ、そういうのはよっぽど有名なサイトでなければ無理なのでしょう。ただ、毎年、今の時期だけは文化祭シーズンで一時的に訪問者が増えます。普段よりは多くの方にご覧いただいていると思いますので、ご意見のある方、どうぞ遠慮なく書き込んでください。ただし、今回は私をご指名ということで。本当に参考程度にしかなりませんが、私なりの意見を書いてみます。
さて、この詩で作者が一番伝えたかったのは何なのかというご質問。私は全ての詩が何かを伝えようとして書かれるわけではないと思います。もちろんメッセージを含んだ詩もたくさんあります。個人的な思いを誰かに伝えたくて書かれたものとか、社会へ何かのメッセージを届けたくて書かれたものとか。けれども、全ての詩がそうではありません。自分の知っている世界、感じた世界、あるいは心のあり様を詩の形で表現してみたという場合も多いはずです。人の書くものですから、掘り下げていけばどこかにメッセージを読み取ることは可能です。しかし、作者に初めからその意図が無い場合、詩の森に分け入って一本一本の木を見て回っても探し物は見つかりません。迷子になるだけです。そんな時はいちど森から出て森そのものを見てみれば、木ではなく森そのものに意味があることに気付くはずですよ。
この詩はひとつの普遍的な世界観、あるいは心の状態を描いているのだと私は思います。ですから、詩の細部に拘るよりは、詩そのものが提示する世界をいかに鮮やかに思い描けるかというところに集中したほうが良いように思います。ただ、鮮明なビジョンを得るためには、逆説的ですが、詩の細部に秘められた意味をひとつひとつ考えていくしかありません。まずは、いろいろな視点から詩を眺めてみることです。その点、クラスの中でどの部分が重要かについて意見が分かれているのはとても良いことだと思いますよ。誰かの意見が正しいわけではなく、ひとりひとりが違った視点で詩を解釈しているということですからね。どこが一番重要なのかを議論するのではなく、なぜその部分が重要と思うのか、どういう視点で読んだからそう思ったのかを話し合うことが大切だと思います。そうすれば、再び森の外に出て森全体を眺めたとき、前よりずっとはっきり森の輪郭が見えてくると思いますよ。
お久しぶりです、前回はお世話になり、ました、
ボクはクラスで、曲目紹介という、位置に着くことができました、どんなことを言うと蒼鷺の歌のよさが伝わるか、教えてください
Re: お久しぶりです投稿者:霙投稿日:2011/09/26(Mon) 23:17No.139すいません追加です、蒼鷺は、差別や偏見を受けるアイヌ民族の我慢強さを唄った歌と、ききました、その辺も教えてください、ちなみに、本番の合唱コンクールまで気がついたらあと、四日しかありませんでした・・・((汗Re: お久しぶりです投稿者:まつ@管理人投稿日:2011/09/29(Thu) 17:57No.140霙さん、こんばんは。お返事が遅くなりました。まだ間に合うでしょうか?
と言っても、そんなに役に立つ回答ができるとも思えませんが。ともかく、時間が押し迫っているようなので、私の分かる範囲でお答えします。
まず、この詩はアイヌの人々のことを書いたのではないかというご質問。なるほど、そういう解釈もあるのですね。実際、そうかもしれませんし、あるいはそうでないかもしれません。私の考えを言わせてもらえば、それは違うと思います。この詩は、そうした特定の対象、特定の出来事だけをもとに作られたのではないような気がするのです。この詩にあるのはもっと普遍的な心の状態。それは、作詞者である更科源蔵の生きた時代の世相や暮らした土地の事情、個人の体験など、ありとあらゆるものがないまぜになって形作られたもの。最終的に彼の中で普遍化された心の持ちよう。そういうものではないかと私は考えています。
さて、もうひとつのご質問。この詩の良さが伝わる曲目紹介の仕方ですね。曲目紹介にかけられる時間というのはとても短いと想像します。その間にどれだけのことを伝えられるかを考えた場合、この詩をどう解釈するとか、もともと答えの無いようなものをあれこれ説明する余裕は無いと思います。それに、曲の前に詩の解釈を述べるのは、例えて言うなら、客が料理を食べる前に事細かくレシピを説明するようなもので興醒めです。レシピを研究するのは料理するほうだけで十分です。
では、何を言えば良いのかとなりますね。私なら、この詩を理解する上で欠かせない要素をしっかりイメージしてもらう方法を考えます。その要素とは、もちろんアオサギです。アオサギはこの詩であまりにも最前面に出てきているので却って忘れられがちですが、この詩はアオサギがいてはじめて成り立っているわけです。アオサギのことを皆が知っていれば何の問題もありません。しかし、アオサギは分かる人には分かっても、知らない人にとっては全くイメージできない鳥なのではないでしょうか。アオサギがイメージできずにこの歌を聴いてもほとんど何も分からないでしょう。
この詩の素晴らしさは、作者が表現したかった心の状態とアオサギのもつ雰囲気が見事に一致している点にあります。この役割はアオサギ以外の鳥には務まりません。それほどこの詩ではアオサギの役割は重要なのです。この曲を聴く人は詩人の提示する世界をアオサギを通して見ることになります。しかし、このアオサギという窓が曇っていてはその先にあるはずの景色は見えてきません。逆に、アオサギをよく知れば窓はクリアになり、詩人の世界ははっきりと見えるようになります。ですから、この曲をよく分かって聴いてもらいたければ、アオサギについてできるだけ的を射たイメージを提示することが肝心なのです。
冬、北海道東部の凍りついた原野に微動だにせず佇むアオサギ。それがこの詩のイメージです。この佇むという表現は重要です。佇むという状態がどのようなものかは、合唱曲『蒼鷺』のページ(http://www.grey-heron.net/forum/58-chorus/)にいくつか写真を載せていますのでご覧下さい。このイメージを正しく聞き手に伝えることができたなら、曲の紹介としては他に何も要らないのではないでしょうか。あとは、皆さんの合唱そのものが雄弁に語ってくれるはずですよ。無題投稿者:もんち投稿日:2011/09/29(Thu) 19:41No.141初めまして。もんちと申します。
私も 青鷺 歌います!!
一緒に頑張りましょう!
てゆーか 明日ですね。 頑張ってください(>_<)
私も、今年の合唱コンクールでこの曲を歌います。クラス内でも、歌詞の読み取りの時間があったのですが、みんなからは全然意見が出なくて...。蒼鷺は死んでしまったのかどうなのか、結局結論が出ないままでした。でも、このサイトを見て参考にさせていただきました!!
Re: 蒼鷺投稿者:まつ@管理人投稿日:2011/09/21(Wed) 21:57No.136まいまいさん、はじめまして。
この詩では、最後にアオサギが死ぬのかどうかという点が皆さん一番気になるようですね。詩の解釈ですから、人それぞれの解釈があって構わないのですが、少なくとも作者はアオサギが死んだと言うつもりはなかったのだと私は思います。確かにこの詩だけを読むとどんなふうにでも解釈できます。けれども、彼がこの時期に書いたの他の詩を読むと、解釈は自ずと定まってきます。アオサギはそう簡単には死にません。
ともかく、参考にしていただけたようで良かったです。Re: 蒼鷺投稿者:もんち投稿日:2011/09/22(Thu) 21:25No.137まいまいさんも歌うんですね!!
中学ですか??
難しいですよね・・・。
お互い頑張りましょう(>_<)
歌詞の意味が分かったので歌いやすくなりました!
アルト 難しいですが めげずに頑張ります(*^。^*)
Re: 感謝!!!投稿者:まつ@管理人投稿日:2011/09/21(Wed) 21:55No.135もんちさん、こんばんは。
結局、あまりお役には立てませんでしたが、歌詞のほうは多少参考になったようで良かったです。ソプラノにつられないようがんばってください。
青鷺の歌詞の意味がわかりません!!
良かったら教えてください!
Re: 教えて!!投稿者:まつ@管理人投稿日:2011/09/11(Sun) 20:25No.124もんちさん、こんばんは。当掲示板を管理しているまつです。
この詩の解釈については当掲示板やここの投稿をまとめている下記ページを読んでみてください。たいていのことはそこに書かれています。
合唱曲「蒼鷺」 ⇒ http://www.grey-heron.net/forum/58-chorus/
それでもなお分からない時には、どの部分がどう理解できないのか具体的に書いてもう一度質問してみてください。Re: 教えて!!投稿者:もんち投稿日:2011/09/13(Tue) 16:58No.125まつ@管理人さん、ありがとうございます!!
大体意味がわかりました。
今 クラスで合唱コンに向けて頑張っているんです!!!Re: 教えて!!投稿者:まつ@管理人投稿日:2011/09/14(Wed) 03:27No.127読んでいただけたんですね。やはり意味が分かるのと分からないのとでは歌ったときの迫力が違いますからね。良い合唱になるよう祈ってます。Re: 教えて!!投稿者:もんち投稿日:2011/09/14(Wed) 15:40No.128ありがとうございます!(^^)!
この詩は作者の更科源蔵がアオサギに自分を重ねて書いたものだという内容を、先日、当掲示板に書いてくださった方がいらっしゃいました。ただ、その投稿はあとでご本人が削除されたようで、もうここには残っていません。「蒼鷺」を理解する上でとても示唆に富む内容でしたので、ここにご紹介できないのはとても残念です。差し支えなければ、また何か書いていただければ大変ありがたく思います。
更科源蔵がアオサギに自らの想いを投影したというのは、私もその通りだと思います。そうなると、更科源蔵その人がどういう人生を生きてきたかが問題になるわけですが、この方がとくに指摘されていたのは彼の人生のプライベートな側面でした。詩集が出る4年前に奥様を亡くされていること、さらに7年後に再婚すること。つまり、この詩はその間にあって心的変化の大きい時期に書かれたのではという内容でした。
ついでなので、この詩の背景にあるものを別の側面からも見てみたいと思います。そこで、とりあえず「蒼鷺」が載っている詩集「凍原の歌」を通読してみました(最後のほうは図書館の閉館時間に間に合わなかったので読めていません)。「凍原の歌」は昭和十八年に発行された詩集です。昭和十八年というと戦争のまっただ中。実際、この詩集には知人の出兵のことや戦況のことなど、戦争そのものを話題にした詩もたくさん収められています。余談ですが、この詩集は発刊当時の定価が二円です。ところが実際の値段は二円十銭なのですね。この半端な十銭は何かというと、特別行為税といって、当時、庶民の消費活動を抑圧するのを目的に課せられていた税のようです。ともかく、そんな戦時色の濃い、独特な時代精神の中で書かれた詩なのですね。
もうひとつ、この詩集は「凍原の歌」というタイトルでも察せられるように、彼の生まれ育った北海道の原野と切り離しては存在しえません。原野の開拓民として生まれ育った彼の体験やそこで鍛えられた精神性、そういうものがこの詩集では隅々にまで浸透しています。それがどういうものかは、私があれこれ書くより、詩をそのまま引用するほうがよく分かっていただけるでしょう。たとえば「北海道」というタイトルの詩には、開拓民としての彼の思いがとてもストレートに描かれています。けっこう長い詩なので、以下はその一部のみの抜粋です。
「併し天然は常に小さな人間の血と汗を一呑にして あがく悲嘆を絶望の底につっぱなし 更に冷酷な狡猾は勤勉を食ひあらし さまよふ騙詐は素朴をかすめさった だが風がたち日影がさせば 土の子は倒れた豆の支柱をなほし 無残に踏み荒された暴力の足跡に もう一度腰をかがめて不撓の種子をうづめる このきびしい北方に生きるためには 常に休みなきたちなほりを要求され 鈍重絶えて敗退を忘れ 天の理法に則し 地の法則にしたがひ 小さくたよりなき自らをたよるよりない」
ここに見られる精神性は「蒼鷺」にもかなり色濃く表れていると私は思います。
こんばんは。
今年の合唱コンで蒼鷺の指揮をすることに
なりました、高校2年生です。
私の慕っている音楽の先生と、
「耳毛かすかに~熱情か」の所の読解で
大議論しました。
みなさんはここをどう捉えますか?
Re: 指揮者です投稿者:まつ@管理人投稿日:2011/07/17(Sun) 21:54No.111みきさん、はじめまして。
私も今一度、詩を読み直してみました。たしかに「耳毛」から「情熱か」までは人によって解釈が一番分かれるところでしょうね。できれば、みきさんの解釈を書いていただければ、他の人もコメントしやすかったのではないかと思います。とりあえず、私はこう思うというのを書いてみます。なお、この掲示板にこれまでいろいろ書いてきましたが、自分の中でも時とともに解釈が変わっていきます。なので、前に書いたものといくぶん矛盾することはあるかもしれません。詩ですから解釈に正解はありませんし、人それぞれに好き勝手な世界を想像していればいいというのが私のスタンスです。ただ、合唱となると、皆がバラバラなイメージで歌ったのでは曲として成り立たないのでしょうね。バラバラなものをいかにひとつのイメージに集約し、音楽として一貫性のある世界を構築できるかが指揮者の腕の見せ所かと。いや、これは大変ですね。
ということで、私の解釈です。ご指摘の部分だけでなく全体の解釈を書いてみます。
この詩は基本的に、凍原にアオサギがじっと佇んでいるという情景が描かれているだけです。アオサギはただ佇んでいるだけで、脚を上げたり目を閉じたりといった小さな動作はあるものの、立っているという基本的な姿勢は変わりません。たまにアオサギは死んだのだと想像をする人がいますが、これは間違っていると思います。詩の中には死んだとも倒れたとも書かれていません。最後までただ動かないだけです。死のイメージを抱く人は、たぶん「枯骨となり」という表現に過剰に反応してしまうのだと思います。けれども、これが単なる比喩であり、実際の死と関係ないということは、この詩を何度も読めば自ずと分かります。
ついでに「枯骨」の部分について言えば、直前の「痩せほそり」から、「風にけづられ」、「許さぬ枯骨となり」、「凍った青い影となり」まで、一節ごとに存在の希薄感が増していきます。これに対して、ご指摘の箇所である詩の真ん中部分は、「胸毛をふるわす絶望の季節か」、「凍れる川の底流れの音か」、「胸にどよめく蒼空への情熱か」と、後になるほどポジティブな感情に変化していきます。真ん中の「凍れる」の一節は、やがて春になれば現れる川の流れに思いを寄せているわけであり、すなわち希望を表していると私は解釈します。絶望から希望へ、希望から情熱へという変化です。この部分で極限まで感情が高まって、そこから詩の最後にかけて消え入るように収束していくのです。この詩を合唱曲にした方は、この部分のダイナミズムに音楽的な魅力を感じたのではないでしょうか。
この詩は外見上、アオサギを詠んでいます。アオサギはただ立っているだけです。そして、その立っているだけのアオサギに、詩人はひとつの魂を付与します。その魂が詩人本人のものであるのか仮想した魂であるのかは分かりません。ともかく、この詩の構造はとてもシンプルで、ひとつの魂をアオサギという容れ物を通して読者に提示したものと私は考えます。魂と関わりがあるのはこの詩の中では「風」だけです。風はおそらく世間全般を表しているのだと思います。その風を読み、動くときではないと判断すれば動かない。今、動くべき時でないからアオサギは動かないのです。風に吹かれて軽々しく動く魂もあるのでしょうけど、この詩に描かれた魂は容易には動きません。動くべきときが来れば動くけれども、動く必要のないときには動かない、壮絶なほどの信念をもって動こうとしません。そうした魂の有り様をアオサギの姿に託して描いたのだと思います。Re: 指揮者です投稿者:みき投稿日:2011/07/20(Wed) 20:40No.115とても説得力のあるお答え
ありがとうございます。
私は「胸毛~」の所から、蒼鷺の青空を求める心の
表れかと。鳥は空を求めるものだと思うので・・・。
蒼鷺が動かずに待っているのは青空ではないかと
思うんです。
内容がめちゃくちゃですみません・・・。Re: 指揮者です投稿者:まつ@管理人投稿日:2011/07/20(Wed) 23:28No.116この詩は雰囲気が全体的に暗いせいか、なんとなくうがった解釈をしてしまいがちですが、みきさんのように解釈するのが一番素直かもしれませんね。そのほうが詩全体のイメージももっとすっきりしたものになりそうですし。ただ、その場合ひとつ問題だと思うのは、この詩の情景がすでに青空だということ。弱々しいながらも冬の陽があって影もできています。そう考えると、青空を待つとの解釈はちょっと厳しいような気もします。Re: 指揮者です投稿者:みき投稿日:2011/08/02(Tue) 09:02No.120わかりました。
クラスのみんなと少し話して、
みんなが同じ気持ちで歌えるように
したいと思います。
ありがとうございました!
はじめまして、
突然現れてすいません
実は、僕らのクラスも蒼鷺を歌います、
でも、いまいちで
皆歌詞をあまり意識してないというか・・・わかってないような気がするのですけど
どうすればわかってもらえますか、ぶっちゃけ
自分自身も詩の意味も良くわかってません・・・
教えてください・・・m(__)m
Re: うまく歌えるようになりたい投稿者:まつ@管理人投稿日:2011/07/27(Wed) 19:30No.119霙さん、こんばんは。
この詩に描かれている情景はそんなに複雑なものではありません。ひとつの場面で始まり、その時の心情描写を間に挟んで、再び同じ場面が繰り返される、ただそれだけです。詩の言葉づかいに気を取られることなく、アオサギが何をして何を思っているのかだけに意識を集中すれば、案外、分かりやすい詩ですよ。
この詩は構成がシンプルなだけに様々な解釈が可能です。どんなふうに解釈するかは人それぞれ。私を含め他の人たちがどう解釈したかについては、この掲示板や「合唱曲『蒼鷺』」のページを見ていただければと思います。けっこう参考になる部分はあると思いますよ。それを読んでなお理解できないのであれば、どの部分がどう分からないのか具体的に書いてまた尋ねてください。
去年私たちのクラスは合唱コンクールで金賞をとれることができました!!しかし、金賞が2クラスだったんです。今年もその2クラスで金賞争いがおきそうなんですが・・・・・そのクラスが「十字架の島」を歌うんです。知ってますか?すごく難しくて評価が高そうなんです。蒼鷺で勝てるでしょうか???
Re: 私も歌います投稿者:まつ@管理人投稿日:2011/07/17(Sun) 21:52No.110ミルクレープさん、こんばんは。
今年この掲示板に投稿いただいたのはミルクレープさんが最初です。ありがとうございました。
私はこの合唱曲の音楽的なことはさっぱり分かりません。ただ、歌うときの表現力というのは、テクニックや回数をこなすということもあるのでしょうけど、それにも増して詩の内容をどれだけ深く理解できているかが重要だと思います。その点、『蒼鷺』はとても勉強のしがいのある曲だと思いますよ。Re: 私も歌います投稿者:ミルクレープ投稿日:2011/07/18(Mon) 21:24No.114ありがとうございます(⌒▽⌒)
クラスのみんなで金賞とれるようにがんばります( ´ ▽ ` )ノ
私は、中3で、蒼鷺の、伴奏をやるんですが、どうゆうイメージを持てばいいですか?
Re: イメージ投稿者:まつ@管理人投稿日:2011/07/17(Sun) 21:58No.112こんばんは、みほさん。
この詩のイメージについては他の方からの質問で何度もお答えしていますので、この掲示板やここの投稿をまとめている次のページを見てみてくださいね。
合唱曲「蒼鷺」 ⇒ http://www.grey-heron.net/forum/58-chorus/
ただ、私が書いたものは、飽くまで私の中でのイメージです。これが正しいというものはありません。けれども、詩に描かれたアオサギがどのような姿勢で立っているか、これについては100%正しい答えを提示できます。写真のアオサギの姿勢がそれです。写真では2羽で立っていますが、詩の中のアオサギは1羽だけのような気がします。この基本姿勢で片脚を上げ目を閉じれば、だいたい詩のアオサギどおりになると思います。間違っても首を伸ばして立ってはいけません。この佇んだ姿勢のアオサギの周りを冷たい風が吹き抜け、アオサギからは青い影が伸びています。そして、凍原の寒さや寂しさを想像することができれば、作者が思い描いたイメージにかなり近づけるのではないかと思いますよ。Re: イメージ投稿者:みほ投稿日:2011/07/18(Mon) 14:28No.113お返事ありがとうございます。
まつ@管理人さんに言われたイメージを
参考にしたいと思いますww
初めまして、今晩は。
今度の文化祭で蒼鷺歌います!
自分は人前に出ると、どうもあがってしまうようで、歌紹介という大事な仕事に立候補して、今真剣に考えているのですが、なかなか良い感じに書けず・・・。まずは、意味から考えて、今ずっと曲を聴いているのですが、だんだん理解しづらくなってきて・・・。どうすれば、「蒼鷺」を文で表現できるでしょうか?
Re: 無題投稿者:まつ@管理人投稿日:2010/10/24(Sun) 09:53No.103バビロンさん、はじめまして。
たしかに「蒼鷺」は意味の取りにくい詩ですね。けれども、見方を変えれば、それは意味をさまざまに想像する自由が与えられているということでもあるのです。その自由度が高いために、正解を得ようとすればするほど何だか分からなくなってくるのです。バビロンさんが悩んでいるのはそういうところではないでしょうか?
この詩について知見を集め理解を深めることは必要ですが、そこに正解を求めるのは間違いです。自分の切り口で自由に想像することが大切です。想像するためのヒントはこの掲示板やここの投稿内容を保存しているページ(http://www.grey-heron.net/forum/58-chorus/)にけっこう見つかると思いますよ。ただし、飽くまで想像するためのヒントです。正解を求めては駄目ですよ。無題投稿者:バビロン投稿日:2010/10/25(Mon) 18:07No.104お返事ありがとうございますm(_ _)m
自分なりに、答えを見つけてきます。
1つのことを正解せず、たくさんの良さを探してみます。Re: 無題投稿者:まつ@管理人投稿日:2010/10/25(Mon) 18:43No.105そう、それですよ。
想像力を働かせれば発見は無限です。バビロンさんの「蒼鷺」を見つけてくださいね。
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