今年の営巣数は?
- 2010年04月16日
- 生態
おととい、少し遅めの春の嵐に見舞われた札幌ですが、この先はもう雪マークがつくことは無さそうですね。これからは着実に季節が進んでくことでしょう。
札幌にほど近い江別のコロニーでは、すでに大部分のアオサギが卵を抱いています。これから巣づくりというところもまだ多少はありますが、もう4月も半ばを過ぎましたから全体の9割方は揃ったのではと思います。営巣スケジュールの進み具合としてはほぼ例年並かなというところです。
ところが、今年は巣の数、アオサギの数がかなり少ないのです。ここ数年と比較すると2、3割減といったところでしょうか。じつは、これは江別コロニーだけの現象ではないようで、道北のほうでも今年は少ないといったところがいくつかあるようです。ただ、道北は営巣が始まって間もないため、これから増える可能性はあります。ちなみに、道北の幌加内にあるコロニーは4月7日頃が初飛来だったそうです。九州あたりのコロニーではすでにヒナが大きくなっているところもあるようですが、北海道はまだまだこれからですね。
ところで、アオサギが少ない原因、これは冬の生存率が例年にくらべ悪かったのではないかと思います。一般に、アオサギの最大の死亡要因は冬季間の餌不足による餓死だそうですから。右に挙げたグラフはイングランドとウェールズのアオサギの巣数の年変化(1928年ー1970年)を示したもの(Stafford 1971)ですが、厳しい冬(矢印の部分)を経験すると個体数がぐっと減っているのが分かるかと思います。
今年の冬はアオサギにとって厳しかったのでしょうか? 私の印象では特別厳しい冬だったようには思われないのですが…。皆さんのところのアオサギは今年も例年どおり来てくれたでしょうか?