回復力
- 2010年05月22日
- 生態
写真は首を負傷したアオサギです。最初見かけたときは首が大きくえぐられたのかと思ってぎょっとしましたが、よく見ると羽毛が無くなっているだけなんですね。首そのものにもいくらかはダメージがあると思われますが、少なくとも見かけよりは軽傷で済んでいるようです。
それにしてもこの首の細さはびっくりです。がっしりしているように見えても、そのほとんどは羽毛なんですね。道理で体重が軽いわけです。あの大きな体でたった1.5キロしかありません。
なぜこのような怪我を負ったのかは分かりません。もしかしたら、アオサギ同士で激しい喧嘩をしたのかもしれませんし、あるいは、木の間越しを飛んだ際に枝で擦りむいたのかもしれません。いずれにしても、ちょっとした怪我がすぐに命取りになる野生の世界です。見かけは元気そうでもやはり心配でした。
そして、そのひと月後の同じアオサギです。羽毛が新しく生え、傷口はもうほとんど目立たなくなりました。すばらしい回復力です。
実はこのアオサギ、このコロニーの中ではかなり早くから営巣を始め、猛禽の度重なる襲撃をかいくぐって今では4羽のヒナを育てているとても優秀な親鳥なのです。それを思うと、あの首の怪我も、卵を守ろうと猛禽に立ち向かった名誉の負傷なのかもしれないなと想像したくなります。