アオサギを議論するページ

コロニーを2ヶ所追加

今回は北海道のローカルな話題です。
北海道に新たに2ヶ所コロニーが加わりました。と言っても、私が知らなかっただけなのですが…。

ひとつ目は新十津川のコロニーで、場所は留久貯水池のほとり、新十津川の町から徳富川を十数キロ上流へ遡ったところにあります。ここでの営巣の様子は、連絡を下さった方のブログ「雅やんの想い」に紹介されています。新十津川辺りを通ると水田でよくアオサギを見かけていましたが、こんなところにコロニーがあったのですね。ただ、新十津川周辺には砂川や江部乙などそう遠くない場所に別のコロニーがありますから、新十津川の水田にいるのが必ずしも今回のコロニーのサギというわけではないと思います。たぶん、これら3コロニーの餌場はかなり重複しているのでしょう。コロニーと餌場の位置関係も調べてみると面白そうです。私は現地を見ていないので正確な場所は分かりませんが、コロニーはおおよそ次の位置にあるようです。
新十津川コロニーの位置

もうひとつは士別市にあるコロニー。こちらは冬に友人がそれらしい巣を見たということで確かめてきました。最初、言われた場所はしんと静まっており、友人の見間違いだったかなと帰りかけたのですが、どうも仄かにアオサギのフンの匂いがするような気がして留まっていると、そのうち聞きなれた声が…。ちゃんと営巣していました。場所は士別市の市街地を東に少し外れたところ、道路脇の斜面にある林です(写真)。
士別コロニーの位置
林の中なので何巣ぐらいあるのか検討がつきませんが、ヒナの声などから判断してかなりあてずっぽうですが4、50巣というところでしょうか。ここは葉っぱが落ちた後に正確な巣数を数えることができればまたご報告します。

ところで、このコロニーで驚いたのは、これが最近できたものではないということ。近くに住んでいる農家の老夫婦にお話を聞いたところ、ここに移り住んだ50年ほど前にはすでにアオサギはいたということです。当時からここで営巣していたかどうかは分からないということでしたが、その当時、この辺りで他のコロニーは知られていないことから、たとえこの場所でなくとも少なくとも同地域で営巣していたのは確かだと思われます。

50年も前からということになると、このコロニーは天塩川沿いに点在するコロニー群の母体になっていたはず。そうなると、サロベツのコロニーを核として天塩川を遡るように分布が広がったとする従来の見方はできなくなります。どうも道北地方のアオサギの歴史は大幅に再検討する必要がありそうですね。道内のコロニー、とくに地域個体群の核となるような重要なコロニーは全て把握しているつもりでしたが、こんな重要なコロニーを見過ごしていたとは迂闊でした。さすがに北海道は広いです。

ここ数年はコロニーの現地調査や情報収集を精力的に行えていないため、当サイトに載せているコロニーの個別情報の中には現状を反映していない場合も少なからずあるかと思います。そんなわけですので、もし北海道のコロニーの一覧表に載っていないコロニーや最近消滅したコロニーをご存知の方がおられれば御一報いただけると大変有り難いです。どうかよろしくお願いします。

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