若すぎるペア
- 2010年05月03日
- 生態
ヒナが生まれはじめ、ヒナの声も小さく聞こえるようになった札幌周辺のアオサギコロニーですが、ヒナが生まれる一方でこれから巣づくりというペアもいます。北海道あたりでは、つがいにより営巣開始時期にひと月以上のズレがあります。そして、遅い時期に巣づくりを始めたペアには成鳥の羽になり切っていないアオサギがかなり多く混じっています。
写真はそんなつがいのひとつ。一応、ちゃんとしたつがいなのですが、まだ巣がありませんし、たまたま2羽が離れているのでペアのように見えないかもしれません。そして、何よりもペアらしく見えないのは左のアオサギが成鳥ではないという点。明らかに1年目の幼鳥のようです。
通常、アオサギは生まれた翌々年から繁殖に加わり、1年目で営巣することはまずありません。なので、これはかなり稀なケースです。ただ、生殖能力は1年目から具わっているので、繁殖が不可能というわけではありません。不可能ではないのですが、やはりヒナを育てる能力ということになるとまだまだ不完全なようです。実際、1年目でうまくヒナを巣立たせた例を私はまだ見たことがありませんし、おそらく成功したという報告も皆無なのではないかと思います。たぶん、経験のない幼鳥では抱卵や給餌そのものはある程度やれても、自分の餌を獲るのが精いっぱいで、ヒナの分まで面倒をみる余裕は無いのでしょう。
さて、このつがい、どこまでがんばれるでしょうか?