アオサギを議論するページ

人工営巣木 その3

サギの営巣シーズン、今年も始まりましたね。この時期になるとネット上でもサギ関連のニュースが少しずつ増えてきます。ニュースの内容はというと、やはりこの時期ですから、どこどこのコロニーにサギがやってきたという季節の話題が大半。けれども、たまには本来のニュース的な内容のものもあります。

今回紹介するのは人工営巣木設置のニュース。アメリカ、ウイスコンシン州のオオアオサギの話題です。なんでも、オオアオサギが利用していた木が枯死したので、代替となる人工営巣木をつくったということのようです。これは地元の自然保護団体が企画したもので、作業のほうはエネルギー関連の民間会社が行っています。詳しくはWSAW.comというテレビ局のサイトに記事と動画があるので御覧になって下さい(追記:動画は削除されたようです。作業の様子と完成した人口営巣木の写真はこちらのページ(4ページ目)で見られます)。

インタビューで、黄色いヘルメットの作業員?が「(人工営巣木の設置は)動物の世界へのお返し(giveback)のようなもの」と言っていたのが印象的でした。じつは、ここの会社は仕事としてでなくボランティアでやっているのですね。だからこそ、givebackという言葉も自然に出てくるのでしょう。

人工営巣木については少し前にも書いたことがありました(この記事とかこの記事)。面白いことに、これらはいずれも今回と同じウィスコンシンの事例なんですね。同じ州内のことだから何かガイドラインがあってそれに沿ってやっているように思いますが、そういうわけではないようです。州が単独でやることもあれば官民協同の場合もあり、そして、今回の事例のようにNPOと民間の会社のボランティアだけでやっていることもあります。だから、人工営巣木の形状も様々です。この自発的多様性というか、変に画一化されてないところがいいですね。

ただし、ひとつ気になるのは今回の映像にあった人工営巣木の形状。見たところそれほど穏やかな気象条件のところとも思えませんし、そこそこの強い風に煽られれば、あのつくりでは巣の台座ごと吹き飛ばされるのではと心配でなりません。もし私がオオアオサギなら、あの上での子育てはちょっと遠慮したいところです。

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