アオサギを議論するページ

巣立ったようです

今回は北海道もよく降りました。雨が降ると心配なのは川の増水。水辺を餌場にするアオサギは濁流がどくどく流れているような川ではとても採餌できません。成鳥なら多少食べられなくてもすぐに餓死するようなことはないでしょうけど、ちょっと前に巣立ったばかりの幼鳥は、普通でも満足に餌がとれないような状態ですから、今回のような状況だとかなり厳しいことになりそうです。

そんな中、前に書いた江別の4羽兄弟のヒナたちがようやく巣立ちました。写真はコロニー直下の水辺に降りたヒナです。まだ夕方には巣に戻って親が餌を持ってくるのを待ったりしていて、まるっきりコロニーからいなくなったわけではないのですが、もう10日以上前から自由に飛んでますし、ほぼ巣立ったといっても差し支えないでしょう。

じつは、このコロニーには4羽兄弟のほかにやや離れてひとりっ子の巣があり、この2巣が最後まで残っていました。ひとりっ子のほうは若い親が育てていましたから、こんな遅くまでがんばったのは本当に驚くべきことです。近くで子育てを続けている親がいなければ、おそらく途中で諦めていたことでしょう。4羽兄弟もひとりっ子も成長段階がちょうど同じだったのも幸いしたかもしれません。結局、巣立ちも一緒になりました。いずれにしても、9月に入ってまだコロニーにサギたちの姿を見るとは思いませんでした。3月半ばから始まり、ほとんど6ヶ月に及んだアオサギの子育てシーズンも、これでようやく閉幕です。

とはいえ、今回はヒナたちの巣立ち時期としては最悪でした。これだけ降ると雨は止んでもしばらく水は引かないでしょうし、本来の餌場が戻ってくるのには時間がかかります。それまでなんとか持ちこたえればいいのですが。

ただ、餌場について言えば、川が増水するとすべて無くなってしまうわけではなく、新たにできる餌場もあります。写真は石狩川に注ぐ支川です。手前のほうは普段は陸地ですが、増水すればご覧のように水に浸かってしまいます。こういう所は、本来の餌場が利用できないときは意外と穴場かもしれません。水があるていど退けば、水たまりに取り残される魚がいるかもしれませんし。大雨も悪いことばかりではなく、そこを何とか凌げば、自然も多少の気配りはしてくれるのかもしれません。

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