春の訪れは予定どおり
- 2013年03月10日
- 生息状況
札幌は今日も雪でした。3月にまだ130センチも積雪があるのは67年ぶりだそうで。けれども、アオサギはそんなことにはおかまいなく、今年も予定どおりやって来ました。もっとも、来てみて少し早すぎたかなと後悔しているかもしれませんが。
ここ札幌周辺のコロニーでは、例年3月5日を過ぎれば、いつアオサギが来てもおかしくありません。遅い年でも3月半ばまでには必ず第一陣の渡りがあります。そして、今年はというと、おとといの3月8日に初飛来があったようです。札幌の平岡コロニーに11羽、そこから14キロほど離れた江別の冬ねぐらに16羽が今年初めて確認されました。じつは、江別のほうは10羽ほどが越冬していたので、16羽のうち何羽かは越冬アオサギが含まれているはずです。ただ、冬にいるアオサギの数よりも増えたことは明らかで、南からの渡りがあったことは間違いなさそうです。
この時期、アオサギは少数のグループで渡って来ます。札幌周辺では、最初に飛来するのは十数羽ていど。たとえば江別のコロニーの場合、最盛期には親鳥だけで350羽ほどになりますから、十数羽というのはほんの一握りのサギたちです。そうとう気合いの入った猛者たちなのでしょう。けれども、早く渡って来たからといって、すぐに巣作りに取りかかれる訳ではなく、天気が荒れているうちは近くの水辺で徒に時間を潰すしかありません。そもそも巣はまだ雪帽子を被っていますし、それが融けるまでは使い物になりません。たまたま穏やかで暖かな日が春まで続けば、他のサギたちに先駆けて巣作りをはじめるメリットが得られますが、そうでなければ、ただの骨折り損の草臥れ儲けです。
今年の先発隊は、例年通りの時期に渡って来たものの、渡って来た翌日、翌々日といきなり暴風雪に見舞われ、とりあえずは散々な出足でした。一番乗りを果たした彼らの果敢さが報われるのかどうか、それは3月の気まぐれな天気次第。そんな彼らの後を追って、これからゴールデンウィーク頃にかけて次々にアオサギの群れが渡って来ます。今年もまたアオサギシーズンの幕開けです。