アオサギを議論するページ

春告鳥

3月も末になり、人も物もダイナミックに変わっていく時ですね。みなさんいかがお過ごしでしょうか? 3月といえばアオサギにとっては渡りの季節。北海道にも南からどんどん渡って来ているようです。こちらではアオサギのことを春告鳥として初飛来を楽しみにしている人がけっこういます。彼らの群れがひと群れふた群れと到着するにつれ、春が着実に歩を進めていくのです。

DSCN0004そんなふうに季節の変化を感じさせてくれるサギたちの渡りですが、今年は少々遅れ気味でした。札幌の隣、江別のコロニーに今年の初飛来があったのは3月16日。遅いなと思って過去の記録を調べてみると、ここ9年ではもっとも遅い時期の初飛来でした。早い年だと3月5、6日に到着していますから、それに比べると10日ばかり遅れたことになります。

右の写真の3羽はずっとこちらで冬を越してきたサギたちです。この時点ではまだ南からの渡りはありませんが、彼らにはそれがもうじきだということはよく分かっていたのでしょう。見ていると、1羽が首を反らしてずっと空を眺めていました。まるで南からやってくる仲間の気配を感じたかのように。それが15日、渡り1日前のことでした。

DSCN0075そんなふうに例年より多少遅れはしましたが、南の連中も忘れることなく律儀に戻ってきてくれました。そして、遅れを取り戻さなければという焦りがあったのでしょうか、渡って来た後は早かったですね。いつもはねぐらに留まったり、コロニーに入ってもまたすぐにねぐらに戻ったりとなかなか落ち着かないのですが、今年はその期間がごく短かったように思います。ともかく、渡りは遅れぎみだったものの、飛来後は比較的穏やかな日が続いていることもあり、例年並みかそれ以上に順調に営巣活動を行っているようです。

DSCN0006昨日の時点で戻ってきたアオサギは全体の3分の1強。コロニー周辺はまだ1メートル以上の積雪ですが、古巣は日ごとにサギたちで埋まりつつあります。この時期に飛来するアオサギは皆、完璧にきれいな成鳥たちです。婚姻色に染まりただでさえ艶やかなのに、雪を背景にするとその美しさがいっそう引き立ちます。

アオサギの渡りは今がおそらくピーク。この先、4月半ばまでまだしばらく渡りは続きます。後半には今年から繁殖をはじめる若いサギたちも混じってくるはずです。寒さが緩んで程よい南風の吹く早朝、空を見上げれば、やや崩れたV字でふわふわと北を目指す一群が見られるかもしれません。

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