謹賀新年
- 2021年01月01日
- その他
今回の賀状、サギはいつもどおりとして無理矢理ウシにも登場してもらったわけですが、こうして見ると、田んぼにサギが立っているように見えますね。もしかして、丑という字は農耕牛からの連想で田の字が変形したものかと思ったのですが、どうもそれは検討違いのようでした。
ところで、牛とサギで思い出すのは、パリのノートルダム大聖堂の地下で発見された石柱のレリーフです。右の写真がそれで、紀元1世紀、当時ガリアと呼ばれていた土地でケルト人によってつくられたものです。少し分かりにくいのですが、雄牛の背中と頭に3羽の鳥が乗っています。そしてこの首の長い鳥たちはツルであると一般には解釈されています。
でも変ですよね。牛の背に乗るツルなど見たことも聞いたこともありません。ヨーロッパだからタンチョウでなくクロヅルなのでしょうけど、どちらであれ似たようなものです。そんなことをするのは間違いなくサギ、おそらくはアマサギでしょう。
ケルトの世界では、この石柱を初めとして、神話やドルイドの文化などにサギらしき鳥が頻繁に登場します。ただ、ケルトの言葉ではサギとツルが同じCorrという単語で、どっちのことを言っているのか判別できないことが多いのです。それがとてももどかしいのですが、私は現在ツルと考えられているものの中にはサギとみなしたほうが妥当な場合が数多くあると考えています。
ともあれ、ウシとサギは大昔から薄からぬ縁があったということで、本年はウシとともにアオサギにも飛躍の年であるよう願いたいものです。本年もどうぞよろしくお願いします。