神奈川新聞
2009年10月20日
葉山でアオサギ受難、くちばしに網からまる
葉山御用邸近くを流れる葉山町下山口の下山川で、くちばしに網のようなものが絡まったアオサギが見つかった。くちばしのすき間から水を飲むしぐさは確認できるが、魚などの餌を捕ることは難しそうで「衰弱死してしまうのでは」と地元住民らが心配している。
19日午前9時ごろ、犬の散歩をしていた主婦成川恵子さん(45)=同町一色=が発見。時折、護岸に生えている草や川底の石などにくちばしをこすり付け、懸命に網を外そうとしていたという。成川さんは「どうしたらいいのか分からない」と顔を曇らせた。
同町環境課の職員が捕獲を試みたが、近づくとすぐに飛んで逃げてしまうため捕獲を断念。特別な道具などもなく「アオサギが衰弱するのを待つしかない」(同課)のが現状という。
県立生命の星・地球博物館(小田原市)によると、アオサギは全国に広く生息し、魚や水生昆虫などを主食にしているという。学芸員の新井一政さん(61)は「くちばしに光沢があり体力は十分あると思うが、このままだと飢え死にしてしまうだろう」と話している。