徳島新聞
2010年5月25日
アオサギ、毎日“出勤” 小松島漁協の魚介目当て
小松島市南小松島町の小松島漁協に、毎日のように交代で姿をみせるアオサギのグループがいる。新鮮な魚介類が集まる格好の“餌場”として、魅力を感じているらしい。特産のハモが持ち去られるとあって漁協は困惑気味だが、アオサギは何度追っ払っても懲りない様子。いつも平然とすましている。
グループは3羽。家族かどうかは分からないが、漁協周辺を縄張りにしているらしく、数年前から悪天候時を除きほぼ毎日、1羽ずつ交代で飛んでくる。
水揚げした魚介類を集めた作業場近くで、足を忍ばせながらうろついたり、フォークリフトのてっぺんに止まったりして、ハモやエビを虎視眈(たん)々(たん)と狙う。職員が持ち場を離れると素早く獲物に近づき、くちばしにくわえて飛び去っていく。職員がしかっても、また平然と舞い戻ってくる。
特に、京阪神向けを中心に高値で取引されるハモを持っていかれるのは漁協にとって手痛い。三原秀之参事は「ずっと見張っておくわけにもいかないし…」と苦笑い。
県立博物館の佐藤陽一自然課長によると、アオサギは体長が1メートル近くで、国内のサギ類では最大。淡水の魚やカエルを捕食することが多いが、海上のいけすで浮いてきた魚を捕ることも。佐藤課長は「基本的に人間は怖いはずだが、楽に餌を確保できる場所として重宝しているのだろう。小まめに追っ払うしかないのでは」と話している。