アオサギを議論するページ

亜種cinereaとjouyi

亜種cinereaとjouyi

2002/01/14(Mon) 12:11      まつ@管理人      サハリンの亜種

V. F. ネチャエフ著「サハリンの鳥類1」に、サハリンでの亜種の分布が書かれていました。それによると、Ardea cinerea jouyi が島の南部で繁殖し、Ardea cinerea cinerea が島の北部で繁殖するとあります。jouyi のほうが日本にもいる亜種で 、シベリアからヨーロッパ、アフリカにかけ生息するのが cinerea です。またこの本によると、サハリンではアオサギの繁殖はまれということで繁殖地も明記されていません。一方、北海道の繁殖地は地理上の切れ目なく高密度に分布しています。こう考えると、亜種分布域の境界は道内ではなく個体数の希薄なサハリンのどこかにある可能性が高いようです。宗谷岬では渡りの時期、サハリンへ向け海峡を渡るアオサギが普通に確認されています。サハリン南部のアオサギいというのは多分そのような個体で構成されているのでしょう。北部のアオサギは、大陸のアムール川河口近辺から間宮海峡を渡ってきたのだと推測します。宗谷岬からサハリンまでわずか40km、実際に行って確かめてきたいですね。

2001/12/07(Fri) 15:51      まつ@管理人      亜種

イギリスのアオサギと日本のアオサギとは、実は亜種のレベルで異なっています。イギリスにいるは Ardea cinerea cinerea で、日本にいるのは Ardea cinerea jouyi です。前者はアフリカからシベリアを経由してサハリンまで分布、後者は日本から東南アジアにかけて分布、ということになっていますが、北海道あたりでは両者はおそらく混じっているのではないかと思います。色合いが若干違うようで、日本にいる jouyi のほうがやや薄いようです。ただ、これも赤から青へ突然変わるといったはっきりした変化でなく連続的なものなので、もし一緒に並んでいたとしても区別は難しいはずです。北海道の北のほうへ行けばどうも色が違うのがいる、というような話をたまに聞くのですが…。もしどなたかそれらしい目撃情報などありましたら教えて下さい。

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