アオサギの餌
アオサギの餌
2011/01/14(Fri) 15:48 まつ@管理人 パンの利用法
友人から新聞の切り抜きが送られてきました。右の記事は今月9日の朝日小学生新聞に載っていたものだそうです。ミニ図鑑とありますから、単なるアオサギの紹介かと思いきや、かなり特殊な事例が書かれていたので驚きました。まあ、そうでなければ、友人がわざわざ送ってくるはずもないのですが。
たしかに日比谷公園あたりだと人馴れした野鳥も多そうですね。おそらくアオサギも例外ではないのでしょう。けれども、いくら人に馴れているとはいえパンを食べるのはどうかと思いますよ。
彼らは基本的に魚食性の鳥です。ただ、魚が全てというわけではありません。エビやカニ、オタマジャクシといった水生の動物はもちろん、バッタやトンボなどの昆虫、ヘビやネズミ、仔ウサギ、果ては水鳥のヒナや小鳥類まで、ともかく口に入るものなら何でも飲み込みます。けれども、それは生きている動物に限ります。たまにエサをうまく獲れない幼鳥や保護された個体が、死んだものや、場合によっては加工されたものを食べることはありますが一般的ではありません。もしそれを考慮に入れたとしても、彼らの食べ物が動物の肉であることには変わりはありません。肉食であるという点は彼らの本性として譲れないもののはずです。それを何を思ったのか、パン、で大丈夫なのでしょうか? のどごし云々の話ではないと思うのですが…。
ところで、パンと言えば、オオアオサギの行動に関して興味深い話があります。こちらはオオアオサギがパンを擬似餌として利用したというもので、1998年にColonial Waterbirdsという雑誌に掲載されています(Zickefoose, J. and W. E. Davis. 1998. Great Blue Heron (Ardea herodias) uses bread as bait for fish source. Colonial Waterbirds 21:87–88.)。擬似餌漁というとササゴイが有名ですが、このオオアオサギの場合は積極的に自分でパンを撒くのではなく、人が水面に投げたパンの近くに行き、魚がパンにおびき寄せられるのを待つというやり方のようです。著者はこの行動について、ササゴイに見られるような、パンを自ら運び水面の適当な場所にセッティングするという、より積極的な行動への移行過程であると説明しています。なお、このオオアオサギは、人が投げたパンの最初のひとかけらは口に入れたそうです。ただし、その後は他に浮いたパンがあっても食べようとしていません。パンが食べ物だとは認識しなかったのでしょうね。
ササゴイによる正真正銘の擬似餌漁はこちらのビデオで見られます。
さて、近い将来、同じような行動がアオサギにも見られるようになるのでしょうか? 少なくとも、パンがアオサギの餌メニューに加わることよりは現実味があるような気がするのですが…。
2011/01/20(Thu) 19:35 カラス 「パンの利用法」面白いですね
熊本、水前寺公園のゴイサギが疑似餌を使って魚を獲る行動は、数年前にテレビで見て知っていました。特別の事と思っていましたが、東京、日比谷公園のアオサギの行動は、それを上回るものだと思いました。公園にパンを持ってくる人の行動を先読みしての魚獲りだからです。
カラスの知能が犬と同じレベルと見る人が居られますが、アオサギのそのレベルも相当なものと思います。
2011/01/20(Thu) 20:48 まつ@管理人 Re: 「パンの利用法」面白いですね
朝日小学生新聞に載っていた話は厳密に事実関係を記述したものではないので、アオサギの行動について細かい部分での評価ができないのが残念です。もっとも、日比谷公園に行ってみれば、そんな細かいことをあれこれ推測しなくても全ては一目瞭然なのかもしれませんが…。
2009/08/17(Mon) 21:16 エゾミユビゲラ 赤とんぼの季節
この写真は8月9日のものです。
すっかり赤とんぼも色づく季節となりました。
2009/08/19(Wed) 09:24 カラス Re: 赤とんぼの季節
アオサギの頭に止まったトンボの絵柄は面白いですね。トンボが止まった微妙な感触から、トンボを捉えるべく次の行動を考えている風情です。
アオサギは(も?)よくトンボを食べているようです。嘴で捉えた時に「パリパリ」と音がしたと聞いた事があります。
2009/08/20(Thu) 22:58 エゾミユビゲラ Re: 赤とんぼの季節
アオサギがトンボを食べるところは、時折見かけますが、魚に比べると、ボリュームが無くてスナック菓子(カッパえびせん)みたいなものなのでしょうね。
頭に止まられると、ハエ叩きにハエが止まったようなもので、動けば逃げるし、打つ手無しというところでしょうか・・・。
2009/09/03(Thu) 16:31 カラス Re: 赤とんぼの季節
2008/08/16(Sat) 11:48 カラス アオサギがカルガモの雛を捕る
新聞には「読者のニュース写真」コーナーというものがあるようです。
8月16日読売新聞(北海道)の「読者のニュース写真」欄に「わが子奪われ」の題で鴨の雛を捕食した瞬間の写真が載りました。カルガモの雛を咥えて飛び立つアオサギをカルガモの親がが追いすがる写真でした。
この種の観察はあっても画像は極めて少ないものなので、読者のよしみで富山県の撮影者に撮影現場の様子を電話で聞かせて頂きました。快く応じてくださって感謝しています。
様子は以下のようです。富山県伏木富山港の海王丸パークに隣接する「海王丸バードパーク」の出来事だそうです。
元は貯木場で池に浮く丸太にアオサギが数羽いたそうです。そこへ一羽の雛を連れたカルガモが泳いできたそうです。
突然、丸太の一羽と思われるアオサギがカルガモの雛に襲いかかり、カルガモの親もアオサギに体当たりして羽をむしり取る激しい抵抗をしたそうです。そんな生々しい様子を聞くことが出来ました。
アオサギはやがて捕った雛を呑み込んだそうですが、死んだ雛を水に浸してから飲み込んだそうで、私が観察した中島公園のシマセンニュウの場合と同じでした。
今回は紙上に写真画像がありますから、興味のある方はご覧になれます
2008/08/16(Sat) 15:48 まつ@管理人 Re: アオサギがカルガモの雛を捕る
デジカメで手軽に写真を撮れる時代になったからでしょうか、これまで知識でしかなかったものを映像で目にする機会が多くなりました。今回カラスさんが紹介して下さったのもそうした例のひとつでしょうね。
アオサギが獲物を呑み込む前にはたいてい一回水に浸します。それは魚を捕らえたときも同じ。何故そうした行動をとるのかはよく分かりませんが、表面に少しでも水分があるほうが呑み込みやすいのかもしれません。アオサギは敢えて水を飲むことをしないので、もしかすると水分補給という意味合いも多少あるのかなとは思います。ただ、魚などでは表面を濡らしたところで魚そのものに含まれる水分に比べたら微々たるものですから、やはり喉を通りやすくするためと考えたほうが合っているような気はします。
2008/07/31(Thu) 11:47 カラス アオサギ獲物呑み込むⅡ
これも札幌市内の中島公園で、40㎝は有りそうな鯉?を呑み込みました。魚の太さはから想像すると、蛇のように顎の関節を広げる構造になっている?
2008/08/01(Fri) 19:36 まつ@管理人 Re: アオサギ獲物呑み込むⅡ
背景はどこかメルヘンチックですが、アオサギのやってることはすごいですね。アオサギにエレガントなイメージしか持っていなかった人はこれでいっぺんに幻滅するのでは。
写真はアオサギの頭骨ですが、顎関節をはずせるかどうかまではよく分かりません。今度、実物を見てよく調べてみたいと思います。
2008/07/31(Thu) 11:42 カラス アオサギ獲物呑み込む
札幌市内を流れる一級河川、豊平川でアオサギがヤツメウナギを捕りました。50㎝は越していそうです。ウナギの抵抗が弱まると、そのままぶら下げて飛び去ってゆきました。
2008/08/01(Fri) 19:36 まつ@管理人 Re: アオサギ獲物呑み込む
この手のひょろ長い獲物は獲ってからがひと苦労なんですね。ヤツメウナギと似たような獲物は、ドジョウをはじめ海でいえばギンポなどもいますが、どれもくるくるとくちばしに巻き付いてくるので、アオサギも弱らせるのに苦労するようです。
これが巣に持ち帰られると、小さなヒナのいるところでは2羽のヒナが両端をくわえて綱引きをしていたりします。ヤツメウナギにしてみれば、あまり想像したくない最期です。
2008/10/02(Thu) 22:33 まつ@管理人 普通でない獲物
アオサギは大食漢だとよく言われます。確かに、体重の6分の1くらいの餌を毎日食べているようですから、我々人間を基準に考えると分量的には質素な食生活とは言い難いかと思います。けれども、大食漢だというイメージは、実際に食べる量というよりは、むしろ体の大きさのわりに大きな獲物をよく捕まえることから来ているように思うのです。そういう現場を一度でも見てしまうと、とんでもない大食いだと思われるのは仕方のないことかもしれません。
アオサギの餌として最もポピュラーなのは魚です。けれども、魚しか食べないわけではなく、機会さえあれば魚以外にもじつに様々な生き物を獲っているのです。たとえば、ザリガニやカエル、貝、ヘビ、昆虫などです。さらには、水鳥のヒナを狙うこともありますし、日常的にネズミを食べることもあるようです。喉を通る大きさのものなら何でもお構いなしといったところでしょうか。
この新聞記事にはまさにそういう場面が載っています。イギリスの新聞「Telegraph」の記事で、アオサギが仔ウサギを捕食するシーンです(写真上のNextのリンクをクリックすると次の写真に移れます。全6枚)。新聞としては興味本位で見られることを想定して載せたのだと思いますが、これは写真記録としてとても貴重なものだと思います。ただ、これからもアオサギに上品なイメージを持ち続けたい方やウサギが大好きな方は見ない方が良いかもしれません。
2008/10/03(Fri) 21:42 まつ@管理人 Re: 普通でない獲物
紹介した記事の内容についてもう少し書き加えておきます。写真はオランダで撮られたものだそうです。アオサギを撮影しているところに、穴からウサギが出てきて、それを見たアオサギが抜き足差し足で忍び寄り…、あとは写真のとおり。その後、アオサギはウサギをくわえたまま近くの水辺に飛んでいったそうです。2枚目以下の写真はその水辺で起こったことです。
この記事で興味深いのは、アオサギがウサギを水の中に浸けたという部分。アオサギは魚を獲ったときも同じように水に浸します。なぜそのようにするのかはよく分かりません。ただ、今回の場合、その行動には実際的な意味があったようです。記事には、ウサギを30秒ほど水に浸けていたとあります。そのあと水から引き上げるとウサギがまだ少し動いていたので、さらにもう一度水に浸し、完全に動かなくなってから呑み込んだそうです。つまり、このアオサギはウサギを意識的に窒息死させたようなのです。
何でも丸呑みするアオサギですが、ぴちぴちばたばた動き回っている獲物はそのままの状態ではさすがに呑み込みません。小さな餌は別として、ある程度の大きさになると、完全に死なないまでも振り回したり突き刺したりして弱らせてから呑むのが普通です。ところが、ウサギともなると振り回すには少し大きすぎます。突き刺すにしても、いったん地面に置かなければならず、もしそんなことをすればウサギのほうもじっとしてはいないでしょう。こう考えると、溺死させるというのは、見た目には残酷なやり方ですが、大きな獲物を捕らえたアオサギにとっては、それが獲物を仕留める唯一の方法だったのかなと思います。
2008/06/16(Mon) 11:24 カラス 無題
私の見た都市公園での事例では、葦のある水辺の草原でアオサギがバッタを狙うような姿勢をしたあとに、ムシクイの仲間の小鳥を捕った場面を目撃しました。
タカの仲間は飛んでいる小鳥を捕るのが得意ですが、アオサギは地面に降りた状態の小鳥を素早く捕るのかもしれません。
2008/06/17(Tue) 19:54 まつ@管理人 Re: 無題
葦原で小鳥を捕まえたというのはかなり珍しい目撃例なのではないでしょうか。アオサギが鳥類を捕獲した事例というのはたまに耳にしますが、あまり一般的ではありません。例外的だからこそ特殊な事例として文献などにも残るわけですが。
私も一度だけ、巣にいるヒナに親鳥がカモ類のヒナと見られる獲物を運んできたのを目撃したことがあります。アオサギは基本的に水辺にいますから、やはり狙う対象としてはどうしても水鳥類が多いようです。カモ類以外には、カイツブリやオオバン、クイナなども襲われているようです。
彼ら水鳥にしてみれば、アオサギは自分たちの生命を脅かすとんでもない悪党のはず。巣にいるところを、上空からあの容赦のない目つきでアオサギに舞い降りてこられたら、これはもう想像を絶する恐怖でしょうね。
2008/06/18(Wed) 15:08 カラス Re: 無題
そうなんですか。都市公園の草はらに背丈のある牧草(オーチャードのようです)が密に生えていて、その中からアオサギが小鳥を捕まえたということです。葦原というのは、間違いでした。小鳥が何かを日本野鳥の会札幌支部で調べてもらっていますが、むずかしいようです。
2008/06/23(Mon) 21:43 カラス アオサギに捉えられた小鳥は
6月14日午前11時頃に、札幌市中央区の中島公園池に浮かぶ島の牧草の生えた草むらから、アオサギが捕った小鳥はシマセンニュウと分かりました。バンディングの資格のある日本野鳥の会札幌支部会員が現場の写真を見て同定(種類や名を明らかにする事)してくれたそうです。
2008/06/24(Tue) 22:29 まつ@管理人 Re: 無題
好き嫌いせず何でも食べるアオサギですから、草原の鳥を襲っても不思議ではありませんが、やはり滅多にあることではないと思います。巣にいるヒナだったのでしょうか? いくらアオサギが忍び足で近づいたとしても、親が捕まるとは考えがたいのですが。
2008/07/31(Thu) 11:50 カラス アオサギ獲物呑み込むⅢ
近の中島公園で、池に浮かぶ島の深い草むらから咥えだしたのはシマセンニュウでした。一瞬カエルのように見えましたが、写真を拡大したらそうでした。
2008/08/01(Fri) 19:37 まつ@管理人 Re: アオサギ獲物呑み込むⅢ
アオサギによる鳥類の捕食はそれ自体あまり例のあることではありませんが、このようにクリアな写真が残っているのはさらに珍しいと思います。
それにしても、シマセンニュウもまさかアオサギに襲われるとは思わなかったことでしょう。お気の毒です。小鳥たちのいる世界はさながらジュラシックパークのようなものなのでしょうね。
2008/08/01(Fri) 21:49 エゾミユビゲラ Re: アオサギ獲物呑み込むⅢ
アオサギの餌のレパートリーの広さには感心させられますね。
追いかけ廻しては捕まりそうにない小鳥ですが、アオサギの餌の獲り方は、ひたすらじっと待ち伏せていて、射程距離に入ってきたら電光石火に捕らえるというやり方から考えると、シマセンニュウも可能な事なのですね。
先日の縄張りを持つのかという事についても、縄張りを持っている事もあるし、そうでない事もあり、渡りをするかというと、渡るアオサギもいるし、渡らないアオサギもいるというフレキシブルなところが、適応力の高いところではないでしょうか?
アオサギは世界に広く分布を広げ成功している種であると言われる所以はこんな所にあるのではないでしょうか?
タンチョウもかつては、渡りをする個体が殆どで、北海道で一部越冬していた個体がおり、渡りをしていた個体は全滅をして、少数の北海道で越冬していた個体のみが生き残ったという例があり、色々なバリエーションを持つ事は危険分散に繋がっているのでしょうね。
2008/08/02(Sat) 08:22 カラス Re: アオサギ獲物呑み込むⅢ
アオサギは餌を丸呑みしますが、その種類の多さには驚きます。アオサギを議論するページのサイトで知りました。
不消化のぺリットを吐き出すとはいえ、ワシやタカの比ではない消化力です。比べれば蛇の持つ消化力に近いのではないでしょうか。
丸呑みした亀の甲羅のみならず骨まで溶かす胃液は驚きです。自分の消化器も同じような組織なのに、それは溶けないのですから、さらに驚きです。
さて、シマセンニュウを獲ったのは都市公園の池の島でした。人のいるところへ入り込むとはいえ、対岸で人が見ているのを承知で素早く狩りをするのは、まわりの状況判断の確かさを物語る証拠かもかもしれません。
アオサギが狩りをした場所の環境がやや分かる、拡大前の画像を貼ります。
2007/06/24(Sun) 11:49 カラス アオサギはカモのヒナも食べる?
アオサギが亀を飲み込む観察事例をここで見た記憶があります。魚類だけではない食性が印象的でした。
さて、早朝の札幌の中島公園池で、数羽のヒナを連れて泳ぐマガモが、岸で水面を狙っていたアオサギの目の前に偶然出くわしました。
次の瞬間マガモはアオサギに飛びかかりました。マガモのヒナたちは蜘蛛の子を散らすように水に潜るなど逃げ去りました。
その勢いにアオサギは飛び去り、マガモの母親はそれを追いかけてゆきました。アオサギはマガモに追い払われた風情です。
仮にアオサギとマガモが対決したら、勝はマガモには無いとおもいます。
マガモが真剣で激しい行動でアオサギを追い払ったのは、アオサギがカモのヒナを食べる事があるとみました。マガモの親が迫力でそれを阻止したように見えました。
2007/06/24(Sun) 18:47 まつ@管理人 Re: アオサギはカモのヒナも食べる?
アオサギが亀を飲み込んだという記事、確かにありました。そんなに大きくない亀だと思いますが、かなり稀な事例のはずです。一方、アオサギによるカモのヒナの捕食については、図鑑的な記載をしている文献には必ず書かれています。私もそれらしき状況を目撃したことがありますし、こちらは亀に比べるとかなり一般的な出来事のようです。
マガモの親がアオサギを追い払ったというのは、カラスさんご指摘のように、ヒナの捕食を事前に抑止するのが目的だったのでしょうね。いわゆるモビングだと思います。
マガモではないですが、カルガモとアオサギが遭遇した状況を以前エゾミユビゲラさんが書いて下さりました。このページの2006年9月7日の記事ですので、興味のある方はぜひご覧下さい。飛びかかったりはしてませんが、カルガモの親がアオサギに向かって文句を言っているような面白い写真があります。
2006/11/09(Thu) 07:09 釣り人 アオサギの食餌風景
釣り場に現れるアオサギの食餌シーンが撮れたのでハリコさせていただきました。(7月撮影)
口にしている魚はブルーギルといって釣り場ではやっかいな迷惑魚です。
この日はこのくらいのを4匹たいらげました。
けっこう大きいのですが一呑みにします。
他の人の話では7匹まで連続で食べて、8匹目は食べなかったとか言っていました。
2006/11/09(Thu) 07:21 釣り人 Re: アオサギの食餌風景
つい先日もやってきました。
釣りを始めると飛んできて、近くで待機しています。
この日は2m以内でした。
カメラを向けても動じる様子もなく、シャッター音にも平気でした。
毛繕いをしていました。
けっこう長い間同じ時間を過ごします。
なんだかとても心がなごみました。
「今日はいまいちやな~もうちょっと待ってや~」
と話しかけると、首をかしげていました。
2006/11/09(Thu) 22:46 まつ@管理人 Re: アオサギの食餌風景
18世紀にオリバー・ゴールドスミスという人の書いた「ゴールドスミス動物誌」に次のような一文が載っています。
「この鳥は、度外れて人間に害をなすほど大食いなのに、いつも骸骨みたいにやせている。まるでいくら食料があっても、サギを養うにはとうてい足りぬと思われるくらいである。」
いささか偏見に満ち、大袈裟な記述の多い本ですが、大食いだというのは否定しようがないですね。
一枚目の写真のように大きな獲物を飲み込んでいるシーンを見てしまうと、誰もが大食漢だと思うはずです。ただ、これほどの大物が獲れれば、一日の食事はそれだけで十分なのだと私は勝手に思っていました。ある研究によると、アオサギが一日に必要とする餌の量は268グラム。大きな魚だと1匹で十分というわけです。
が、7匹ですか! 撮影が7月ということなので、ヒナに与える分も獲っているのかもしれませんが、それにしても大した食欲ですね。とにかく食べられるときにはとことん食べておけ、ということでしょうか。
食べたあと重すぎて飛べないなんてことにならなければ良いですが。
ところで、ブルーギルやブラックバスを食べると歓迎され、アユやサケ・マスを食べると目の敵にされるアオサギ。考えれば考えるほど、人間ってどうしようもなく利己的な生き物なんだと思い知らされます。
2006/11/05(Sun) 11:47 まつ@管理人 アフリカの小島で
一般に魚食性の鳥として知られるアオサギですが、食べるものは魚だけとは限りません。機会さえあれば、昆虫(バッタなど)や哺乳類(ネズミなど)、それに鳥類のヒナなどを食べることもあります。
Waterbirdsという水鳥専門の雑誌に、アオサギがウのヒナを捕食した事例が載っていました。場所は南アフリカのペンギン島という小さな島。アオサギの犠牲になっているのはキノドハナグロウ(こういうセンスの無い命名にはほとほとうんざりです)という、カワウやウミウより二回りほど小さいウの仲間です。
この論文では、46日間の観察で、アオサギによるヒナへの襲撃が17回にわたって見られ、合計37羽のヒナが犠牲になったと報告されています。なお、この島では一度に1羽のアオサギしか見られなかったそうなので、こうした状況がこの地域のアオサギの間で常態化しているということではなさそうです。おそらく、1羽かごく限られた個体がこれに固執しているのでしょう。
ついでですが、ここのウはアフリカクロトキにも捕食されています。アフリカクロトキの場合は、グループでやってきて卵やヒナを襲うそうで、こちらの被害のほうがアオサギよりも何倍も大きくなっています。サギやトキにあの長い脚でつかつかと寄ってこられたら、巣にうずくまっている小さなウはたまったものではないでしょうね。
日本ではアオサギとカワウが同じコロニーで暮らしているところがいくつもありますが、カワウがアオサギに襲われたという話はいまだ聞いたことがありません。カワウではさすがに大きすぎるのでしょう。
2006/05/07(Sun) 09:35 シリアル・難波 大阪市城東区にも
大阪市城東区古市の城北川沿いでもアオサギを見ることができます。川岸で自分で見つけた、ひからびてしまったヘラブナらしき大きな魚を飲み込む様子を目の当たりにして、「大丈夫なんかなー、ちゃんと消化できるのかなー」と、ちょっと心配になりました
2006/05/07(Sun) 12:04 まつ@管理人 Re: 大阪市城東区にも
アオサギが獲る魚の大きさですが、30センチくらいなら苦労しながらも飲み込んでいます。極端な例ですが、アメリカのオオアオサギ(アオサギよりひとまわり大きい)が62センチ(510グラム)のヤツメウナギを飲み込んだという報告があります。ただ、いかにオオアオサギといえどもこの獲物は分不相応だったらしく、喉に詰まらせて死んでしまったそうです。
ところで、シリアル・難波さんが見られたヘラブナというのは干からびていたんですね。生きたものしか食べないというのがアオサギたちの不文律だと思っていたのですが、これまた見事に裏切られました。どうかその個体だけの間違った行動であってほしいものです。
2005/06/14(Tue) 22:03 まつ@管理人 無題
アオサギが牛の死体を漁っていたという記事がありました。アオサギは基本的には魚食性ですが、場合によってはネズミなど哺乳類を食べることもあります。しかし、魚にしろ哺乳類にしろ死んだものはまず食べません。ただ、幼鳥の場合は例外もあるようで、以前、私はアオサギの幼鳥がサケの半身を食べようとするのを見たことがあります。もしかするとこの記事のアオサギも幼鳥だったのかもしれません。
ところで、この記事はボンベイ自然史学会の学会誌に載っているらしいのですが、牛に関係する論文というところが何ともインドらしいですね。
2005/03/28(Mon) 11:05 とし寄り人 アオサギの餌
アオサギは季節で、いろいろ替わり好きな鳥のひとつです。
餌は魚が主ですが、干拓地ではねずみ、沼では亀を餌にしているのを観察しました。考えられない大きな物ものみこみます。いずれも飲み込むまでに10分以上かかりました。(右は蛸を餌にしている写真)
2005/03/29(Tue) 00:15 まつ@管理人 Re: アオサギの餌
以前アオサギを保護した人が、イカを餌として与えたというので、けっこう何でも食べるのだなと思っていました。しかし、自然状態でタコを食べているとは。くちばしにタコの足が巻きついてかなり大変そうな気がしますが。
ネズミについては、場所によってはかなり一般的な餌のようです。たとえば、男鹿半島のアオサギはハタネズミをもっとも多く食べているのだとか。
しかし、何よりも驚いたのは亀です。アオサギはカニやザリガニなど、甲羅があってもとくに気にすることもなく食べているようなのですが。ただ、同じ甲羅でも亀の甲羅はちょっと違うのではないかと…。相手が何であるかということよりも、動くものでありさえすれば何でも構わないという感じですね。
2004/05/20(Thu) 19:56 まつ@管理人 無題
パン、りんご、ジャガイモ、ドッグフード。さて、これらのうちアオサギが食べるのはどれでしょう? 答えは、全部です。オランダでの話で詳細はよく分からないのですが、どうも人が与えたもののようです。自然の状況ではまずあり得ないでしょうね。本来、肉食のアオサギがこれらのメニューをどこまで消化できるのか疑問ですが、ともかく食べてみるというその姿勢はさすがだと思いました。
2004/05/04(Tue) 21:07 まつ@管理人 ヒナの食欲は?
ヒナが生まれると、親鳥にとって一番の仕事はヒナにエサを見つけてくることです。一日見ていると、雌雄交代で何度も餌場を往復しているのが分かりますが、では、彼らが運んでくるエサの量はどのくらいになるのでしょう?
ある報告では、親が一回に運んでくるエサの量を250gと推定しています。アオサギが好んで食べる嘴サイズの魚であれば15から20尾といったところでしょう。もちろん、ヒナの成長段階によってエサの量は変わりますが、平均するとこのくらいということです。さらに、この推定値を使って繁殖期間全体の給餌量を求めると100kgを超える計算になります。自分の経験に照らすとやや多いかなという気はしますが、大幅な違いはないと思います。なお、この数値は4羽のヒナを育てた場合のようです。つまり、一羽のヒナが一人前になるのに25kgのエサが必要ということですね。
さあ、この数値を見て皆さんはどう感じますか? たとえば、100巣のコロニーを考えると、3羽平均でヒナを育てたとして、300羽のヒナがいることになります。このヒナたち一羽一羽が25kgの魚やカエルを食べることになるわけです。では、全部合計するといくらになるでしょう? なんと7.5トンになりました。これだけの量をせっせと運ぶアオサギも偉いと思いますが、これだけの量を気前よく提供してくれる水辺という環境もただ者ではない気がします。
2003/06/09(Mon) 22:27 まつ@管理人 魚だけじゃない
数日前、近くの江別コロニーを訪れたときのことです。とある巣に、3羽のヒナと餌場から戻ってきたばかりの親がいました。その巣では、いつも通りの給餌風景が繰り広げられていましが、ただ、ヒナの声が心なしかいつもより慌ただしく感じられました。じっくり見てびっくり、ヒナが食べようとしていた餌は、魚ではなく鳥だったのです。黒褐色の体にはまだほとんど毛も生えてなく、生まれて間もないヒナのようでした。鳥の種類は判りませんが、首が長かったところを見ると水鳥のヒナでしょうか。(アオサギのヒナではありません。念のため。)
3羽のアオサギのヒナたちは、代わる代わる呑み込もうとしていましたが、彼らには少し大きすぎたようで、15分ほど格闘した後とうとう諦めてしまいました。
水域の豊富な北海道では、アオサギの餌はほとんど魚、または水中の動物だと思われています。しかし、トンボを食べたという話もありますし、必ずしも魚ばかりということはありません。たとえば、秋田の男鹿半島のアオサギはネズミをよく食べているそうです。海外での報告によれば、小さなネズミは生きたまま丸飲みし、大きなネズミは水に浸け、溺れさせた後に食べるといいます。
ネズミに較べればずっと頻度は少ないと思いますが、今回紹介した例のように鳥を食べることもあります。これまでに報告のあるところでは、カイツブリやオオバン、チドリ、スズメ目などが狙われているようです。カイツブリやオオバンなどでは、襲われるのは主としてヒナですが、チドリやスズメ目など小さな鳥では成鳥も襲われるようです。ほかに特殊な事例として、浮き植物の上を渡っていたクイナが数羽のアオサギに捕らえられたという報告があります。クイナは水深の浅い場所に連れ去られた後、水に溺れさせられ、集まってきた何羽ものアオサギによって食べられたそうです。
まあ、最後のは異常なケースなのでしょうけど、アオサギが捕食可能な動物というのは、私たちが想像する以上に他種多様なのかもしれません。一見、悪食に見えるこの食性こそ、アオサギが今日まで生き延び、なお繁栄し続けている理由のひとつでもあるのでしょう。本当は、人間がアオサギに対して悪食などと言う資格は無いんですけどね。