シーズン間近
- 2012年02月29日
- 生息状況
日に日に日射しが明るくなってきました。北海道にアオサギが渡ってくるのももう秒読み段階です。
この冬は寒さが厳しかったせいか、札幌近郊のねぐらには10羽そこそこのアオサギしか残りませんでした。厳冬期にはさらに減り、1羽いたりいなかったり。一番多いときでもせいぜい3羽というところでした。今年の冬は、ねぐらにオジロワシが2羽も来ているので、そのことも少し影響したかもしれません。ねぐらでオジロがアオサギを襲うことはまずないでしょうけど、アオサギにしてみれば落ち着きませんからね。まあ、それでも時期が来れば彼らは戻ってきます。あともう少しです。
そんな北海道ですが、じつはすでに繁殖活動を始めているところもあります。帯広の街中にあるコロニーがそうで、毎年2月中旬には数つがいが巣をつくりはじめます。今年も、もう来ている頃かなと2月半ばに見てきたところ、アオサギの代わりにいたのはオオタカでした。そのうち2羽ばかりアオサギがコロニーに降り立ったものの、オオタカがいるのがどうも気に入らない様子。写真のように首をニュッと突き出してオオタカを確認すると、すぐに飛んでいってしまいました。体の大きさからすればアオサギのほうがいくぶん大きいのですけどね。大きさの問題ではないようです。
ただ、帯広のコロニーは特別で、北海道の場合、アオサギが繁殖を始めるのは普通は3月中旬以降になります。2月はまだ左の写真のような状況で、シーズンが始まりそうな気配は全くありません。更科源蔵の詩『蒼鷺』のような雰囲気です。『蝦夷榛に冬の陽があたる 凍原の上に青い影がのびる 蒼鷺は片脚をあげ 静かに目をとぢそして風をきく 風は葦を押して来て また何処かへ去って行く』 そんな感じですね。ゆっくり春を待つしかありません。焦ってコロニーに行ったところで、巣の上には雪がどっさり乗っかって巣作りどころではありませんから。
ところで、ここのねぐらには毎年のようにシラサギが1、2羽やって来ます。たぶんオオダイサギです。厳冬期には見かけませんが、冬も終わりに近づくこの時期にだけここに現れるのです。徐々に北に向かって移動しているということなのでしょうね。
冬を南の地域で過ごしたアオサギたちももう動き始めていることでしょう。この越冬地にも、付近に散らばっていた越冬サギたちがもう間もなく戻り始めます。越冬サギが集結し始めたら、何日も経たないうちに南からの第一陣が渡ってくるはずです。そうなれば、もう春ですね。