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信濃毎日新聞
アユ食害対策でアオサギ繁殖抑止 佐久で特殊な棒使い
棒を伸ばして巣を揺する漁協組合員ら

佐久市の佐久漁業協同組合と県水産試験場佐久支場は、アオサギによる養殖アユの食害を減らそうと10日、同市中込の滑津川(なめづがわ)沿いで、特殊な棒で樹上の巣の卵を落とした。埼玉県で行われている繁殖抑止策で、県漁協連合会によると県内で行うのは初めて。25日までに小諸市でも実施する予定だ。

棒は25メートルまで伸びる。先端が「コの字形」になっており、巣を揺すって卵を落とす。埼玉県の国営武蔵丘陵森林公園は、増え過ぎて生態系を脅かすカワウの卵をこの棒で落としている。県漁協連合会が購入し、佐久漁協が借りた。

同漁協は、アオサギの巣から卵を取り出し、親鳥が産み直さないよう人工の卵を置いて効果を挙げている。高い所の巣は消防ポンプの放水で壊してきたが、十分とはいえなかった。同漁協の中沢重和組合長(70)は「(棒で落とすのは)地道な取り組みだが、少しでも被害が減ってほしい」と話した。

アオサギは学習能力が高く、巣を壊されるとコロニー(集団営巣地)を移動するという。鳥類の生態調査をしている東信自然史研究会の斎藤信(あきら)事務局長(41)は「人の手が届く場所に巣を集中させ、管理できればいい」とする。

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