神戸新聞
2009年5月30日
アオサギのつがい、水管橋の上営巣 高砂
高砂市米田町の法華山谷川にかかる水管橋の上に、アオサギのつがいが巣を作り、子育ての準備を進めている。今年2月に近くの通称本丸(同市竜山1)で山火事があり、住民らは、火事の影響で山から巣を移したのではないか、とアオサギを気遣っている。
粉川正三郎さん(67)=同市阿弥陀町魚橋=も気をもむ住民の一人。毎年3月下旬から5月下旬にかけ、本丸の東斜面でシラサギやアオサギが子育てする姿を楽しみに観察してきた。
山火事の際、東斜面は辛うじて延焼を免れた。しかし、今年は産卵期になっても、サギ類は一羽も見かけないという。
粉川さんは5月中旬、橋の中ほどで巣を作るアオサギを発見。つがいの一羽が一日中巣を守り、もう一羽がパートナーのために餌を運んでいた。
現在は、卵の向きを変えては、再び温める様子が観察される。アオサギは通常、産卵から2-3週間でふ化するといい、粉川さんらはひなの誕生を心待ちにしている。
姫路市立動物園の水鳥担当の飼育員によると、橋の上はアオサギが巣を作る場所として通常あり得るという。山火事との関連は不明とするが、粉川さんは「慣れない橋の上で、吹き飛ばされたり、カラスなどに襲われたりしないか心配。無事に巣立つまで見守りたい」と話している。(大成絢子)