紀伊民報
2010年2月12日
サギやウが巣作り ふん害や騒音に警戒
和歌山県田辺市下万呂の天王池の森に、カワウやアオサギなどの鳥類が飛来、繁殖に向けて巣作りを始めた。この森では年々繁殖ペアが増え、枝を折ったり、ふんが降り積もったりして枯れた木もある。昨年9月には市議会一般質問でも取り上げられており、地元住民らはふんのにおいや騒がしい鳴き声を警戒している。
天王池では、2005年から少しずつ増え、昨年は計500羽近くに増えた。
日本野鳥の会会員によると、アオサギは羽を広げると1.6メートルほどある。1度の繁殖で3羽ほどがふ化するという。白い繁殖羽が伸び、くちばしと足が婚姻色に赤く染まったペアが枝を拾い集めている。カワウのくちばしも赤黒く婚姻色に変わり、頭から首にかけて繁殖羽を生やし、繁殖の準備に入っている。今後、ゴイサギやチュウダイサギなども入ってくるとみられる。
昨年9月の一般質問では、安達幸治議員(無)がこの問題に触れ「池や周辺にふんが落とされ、住民は大変迷惑。さらに鳥は池や近くの谷や川の魚を食いあさり、小魚が減っている」と市に対策を求めた。市は日本野鳥の会会員と協議しているが、森が私有地で、強制的に追い払った場合、国指定天然記念物の神島など移動先で同様の被害が出る可能性があるとして、対応に苦慮している。