朝日新聞
2010年3月21日
カワウ・アオサギに「高層マンション」人気
トラックひしめく幹線道路わきの鉄塔(約70メートル)で、カワウやアオサギたちが巣作りに大忙しだ。地上から約8~15メートルにある巣は100個ほど。工業地帯の騒がしさのなか、枝を運んだり、羽を休めたりする親鳥の姿が春を告げている。
現場は名古屋市港区の国道23号沿い。鉄塔は庄内川と新川の間の堤防にある。渡り鳥渡来地の藤前干潟が近く、エサも豊富。5年前に巣の多さに気づいたという名古屋市野鳥観察館の近藤孝さんは「カワウやアオサギは人嫌い。堤防には人が寄りつかず安心なのでは」と話している。
鉄塔を管理している中部電力蟹江電力所(愛知県蟹江町)によると、巣は特別高圧線(約15万ボルト)よりかなり低く、接触のおそれはないという。同所は「監視を続けながら見守りたい」と話す。