◇くちばしにネット絡まり弱る 地元自然環境団体が保護
【加藤真太郎】和光市を流れる越戸(こえど)川で先週末、くちばしの先に台所用のネットスポンジが引っかかった野鳥のアオサギが見つかり、地元の自然環境団体に救出された。アオサギはエサを食べることもできず、弱り切っていたという。
アオサギを助け出したのは、地元で長年、越戸川の浄化活動などに取り組む「和光自然環境を守る会」のメンバー。4日ごろ、くちばしに何かが引っかかったアオサギを散歩中の女性らが発見し、同会の赤松祐造さん(65)に連絡した。
赤松さんによると、アオサギは口を開けられず、エサも食べられない状態だったという。「このままでは死んでしまう」と考え、高柴重夫副会長らにも呼びかけ、6日朝からメンバー6人で捕獲作戦を開始した。
警戒心が強く、投網を試みても、最初は飛んで逃げた。だが、力つきたのか、午後2時半ごろ、手網でようやく保護された。
アオサギを近くで見ると、上下のくちばしにノコギリ状のギザギザした凹凸があり、そこにネットが引っかかっていた。取り外すのに手間取ったが、放してやると、川から岸辺に上がり、赤池橋の下の草陰に隠れてしばらく休んだ後、飛び去った。6人はバンザイをして喜び合ったという。
越戸川はかつて、生活排水などで水質汚染が進んだが、同会や地域住民らが約20年にわたって清掃などを続け、せせらぎが復活。川の再生を目指す県の「水辺再生100プラン」に採択され、護岸や遊歩道の整備も進み、市民が水際に近づけるようになった。
越戸川ではいま、多くのアユが遡上(そじょう)し、産卵する姿がみられる。赤松さんは「アオサギはアユを狙っていたのではないか。川にこのようなゴミは捨てないで欲しい」と話す。