中日新聞
2017年6月17日
アオサギ対策 タカ活躍 虻が島 貴重な植生守れ
氷見沖に浮かぶ県指定名勝・天然記念物「虻(あぶ)が島」に巣作りするアオサギ対策に、タカが活躍している。氷見市が四月からタカを放したところ 巣が大幅に減り、市教育総務課の小谷超さんは「今までいろんな対策をしてもいたちごっこだったが、予想以上の効果が出ている」と話している。(高島碧)
虻が島は総面積1350平方メートル、県最大の島。暖地性植物ハマウドと寒地性植物エゾヒナノウスツボが混生する貴重な植生となっている。1998年ごろからアオサギが増え始め、近年ではアオサギ200羽が巣を作り、植物が真っ白になるほどフンを落として枯れる被害が起きている。
市教委や住民がタカの鳴き声の音声を流したり、巣を落としたりして対策してきた。しかし効果は長続きせず、頭を悩ませていた。
市は、害鳥対策の一つとして知られるタカによる駆除を試行することにし、今年4月、「鷹(たか)丸」(石川県小松市)に依頼。鷹匠吉田剛之社長 (44)がタカを放してアオサギを追い払った後、市教委らが巣を落とす作業を10回以上繰り返した。すると、アオサギはタカに巣を落とされたと認識して、ほとんど寄り付かなくなった。
小谷さんは「効果がいつまで続くかは分からない。来年はどうするか、様子を見て決めたい」と話す。