北國新聞
2017年6月19日
アオサギ対策にタカ 氷見・虻が島で市教委
氷見市教委が、アオサギの群れによるふん害が目立っている県指定名勝・天然記念物の虻が島で、タカを飛ばして追い払う試験を始めた。当初は約200羽いたアオサギが、今月上旬には約20羽まで減少し、効果を上げている。18日は姿地区の住民による虻が島清掃活動に合わせて林正之市長も上陸し、実際の防除の様子を視察した。
虻が島は氷見沖の無人島で、総面積1350平方メートル、標高4.5メートルの県内最大の島として知られる。南方系のハマウドや北方系のエゾヒナノウスツボなど貴重な植物が混生している。
市教委によると、約20年前からアオサギが増え、ふんで貴重な植物が枯れる被害が発生した。約10年前から3~6月に、市職員や自然保護員が長さ約10メートルの棒で木に作られた巣を落としていたが、アオサギは減らなかった。
今回は、JR金沢駅や砺波、射水市の工場でムクドリやカラスなどの害鳥をタカで追い払った実績がある株式会社「鷹丸」(小松市)の社長で、鷹匠の吉田剛之さん(44)に防除を依頼した。4月から今月18日まで計12回、島の上空にオスのタカ「三郎くん」を飛ばしてアオサギを追い払った後、職員らが巣を落とす作業に取り組んでいる。
市教委の西尾正輝主任学芸員は「タカが襲い、巣を壊すため、島は営巣に適さないとアオサギに学習させる狙いがある」と説明する。
18日の防除試験でも、島にいたアオサギは5羽にとどまり、効果の継続を確認できた。今年度は計30回、タカによる防除を行う。
創業4年目の吉田さんは「島を守るためにタカを使うのは初めてで、効果が出てうれしい」と話した。林市長は「1年間の変化を調査する必要がある」と述べた。