アオサギを議論するページ

繁殖地情報

繁殖地情報

2010/07/01(Thu) 20:09      まつ@管理人      コロニーを2ヶ所追加

北海道に新たに2ヶ所コロニーが加わりました。と言っても、私が知らなかっただけなのですが…。

ひとつ目は新十津川のコロニーで、場所は留久貯水池のほとり、新十津川の町から徳富川を十数キロ上流へ遡ったところにあります。ここでの営巣の様子は、連絡を下さった方のブログ「雅やんの想い」に紹介されています。新十津川辺りを通ると水田でよくアオサギを見かけていましたが、こんなところにコロニーがあったのですね。ただ、新十津川周辺には砂川や江部乙などそう遠くない場所に別のコロニーがありますから、新十津川の水田にいるのが必ずしも今回のコロニーのサギというわけではないと思います。たぶん、これら3コロニーの餌場はかなり重複しているのでしょう。コロニーと餌場の位置関係も調べてみると面白そうです。私は現地を見ていないので正確な場所は分かりませんが、コロニーはおおよそ次の位置にあるようです。
新十津川コロニーの位置(真ん中の赤い吹き出し)

もうひとつは士別市にあるコロニー。こちらは冬に友人がそれらしい巣を見たということで確かめてきました。最初、言われた場所はしんと静まっており、友人の見間違いだったかなと帰りかけたのですが、どうも仄かにアオサギのフンの匂いがするような気がして留まっていると、そのうち聞きなれた声が…。ちゃんと営巣していました。場所は士別市の市街地を東に少し外れたところ、道路脇の斜面にある林です(写真)。
士別コロニーの位置(真ん中の緑の矢印)
林の中なので何巣ぐらいあるのか検討がつきませんが、ヒナの声などから判断してかなりあてずっぽうですが4、50巣というところでしょうか。ここは葉っぱが落ちた後に正確な巣数を数えることができればまたご報告します。

ところで、このコロニーで驚いたのは、これが最近できたものではないということ。近くに住んでいる農家の老夫婦にお話を聞いたところ、ここに移り住んだ50年ほど前にはすでにアオサギはいたということです。当時からここで営巣していたかどうかは分からないということでしたが、その当時、この辺りで他のコロニーは知られていないことから、たとえこの場所でなくとも少なくとも同地域で営巣していたのは確かだと思われます。

50年も前からということになると、このコロニーは天塩川沿いに点在するコロニー群の母体になっていたはず。そうなると、サロベツのコロニーを核として天塩川を遡るように分布が広がったとする従来の見方はできなくなります。どうも道北地方のアオサギの歴史は大幅に再検討する必要がありそうですね。道内のコロニー、とくに地域個体群の核となるような重要なコロニーは全て把握しているつもりでしたが、こんな重要なコロニーを見過ごしていたとは迂闊でした。さすがに北海道は広いです。

2010/01/11(Mon) 20:34      ちょんぱぱ      幕別のコロニーについて

幕別町にあったコロニー放棄の原因を調べていてここに辿り着きました。
「北海道のアオサギコロニー一覧表」では現存していることになっていますが、幕別町の「あおさぎ公園」近くのコロニーは2006年を最後に放棄されたようで、2007年3月から4月にかけて数回確認に行きましたが営巣はされていませんでした。
養魚場の食害への駆除の影響なのか、別の要因があったのか判らないのですが、その後帯広市の水公園の個体が増えていますので、一部は移ったのかもしれません。
ご報告まで。
『Chonpapa’s blog』


2010/01/11(Mon) 21:15      まつ@管理人      Re: 幕別のコロニーについて

せっかくお越しいただいたのに正確な情報が提供できなくて申し訳ありません。幕別のコロニーが放棄されたのは私も知っていたのですが、一覧表を直すのをすっかりさぼっていました。自分の中ではけっこう大事件だったので、そのぐらいはきちんと修正したつもりでいたのですが…。

写真は去年2月に訪れた幕別コロニーです。ここの巣はしっかりつくられていたのが多かったせいか、あるいは雪が少ないせいか、放棄後も比較的原型が保たれている巣が多いように思います。巣がいつまでも残っているだけに、ゴーストタウンのようで却って寂しいですね。「あおさぎ公園」までつくったというのに。

放棄の理由は私もよく分かりません。ただ、その後のアオサギの行方については多少の情報はあるので、当時調べたものをもう一度見直してみます。一覧表のことも含め数日中には何らかの情報を提供できると思いますので、もうしばらくお待ちください。


2010/01/14(Thu) 00:08      まつ@管理人      Re: 幕別のコロニーについて

遅くなりましたが、一覧表を直しておきました。また何か事実と異なる箇所がありましたらご報告いただければ幸いです。

さて、幕別にいたサギたちのその後の行方です。これは残念ながら私も把握できていませんでした。2006年を最後に放棄されたというのは、当時のちょんぱぱさんのブログをはじめいくつか情報を得て私も知っていたのですが、別の場所にコロニーを移動したという話は聞いていませんでした。ちょんぱぱさんがおっしゃるように、幕別のサギの一部が水光園のほうに合流した可能性は十分あると思います。ただ、幕別と水光園のコロニーの大きさを考えると、水光園のほうに全てが移ったとは考えにくく、多くのサギは水光園以外の場所に移動したのではないかと思います。
面白いことに、ちょうどその頃に十勝の別の場所に新たなコロニーが見つかっているのです。新たなコロニーというのは浦幌町のトイトッキにできたもので、これはちょんぱぱさんもすでにご存知かもしれません。このコロニーのことは『鳥キチ日記』を読んで知り、このブログを書かれている千島さんから直接コロニーの詳細を教えていただいた次第です。
千島さんによると、トイトッキのコロニーができたのは2006年からのようで、その年は20?30つがい程度の営巣を確認されたようです。2007年はさらに増えたようで、50巣は下らないのではないかと推測されています。
幕別とトイトッキのコロニーは距離がかなり離れているので、幕別が放棄されたこととトイトッキに新たなコロニーができたことが実際に関連があるかどうかは分かりません。ただ、似たような事例で、野幌を放棄した100羽、200羽というアオサギが、幕別とトイトッキと同じぐらいの距離がある苫小牧市植苗のコロニーに合流したということもあります。幕別とトイトッキは多少離れていてもどちらも十勝川流域のコロニーですから、移動があったとしても不思議ではない気がします。もちろん、もっと近場に新たなコロニーができている可能性も捨て切れませんが。

それと、もうひとつは放棄の原因ですね。これは千島さんのブログにもあるように、カメラマンかもしれませんしアライグマかもしれません。このコロニーはとても目立つところにあっただけに、巣のすぐそばまで行って撮影する非常識なカメラマンもいたように聞いています。あるいは全く想像もしないような原因が他にあったのかもしれません。ただ、養魚場での駆除の影響はほとんど無いと思います。あの養魚場は毎年駆除申請はしているものの、実施に駆除できているのは数羽ていどのはずです。その程度ではコロニーはびくともしないでしょう。

写真は、言わずと知れた「あおさぎ公園」の看板です。コロニーがあったのは後ろに見えている山の斜面ですね。


2010/01/25(Mon) 22:51      ちょんぱぱ      Re: 幕別のコロニーについて

まつ@管理人さん、反応が遅くなりましたが一覧表の修正ありがとうございます。
千嶋さん個人も「鳥キチ日記」も良く知っていますが、恥かしながら浦幌の農耕地帯にできたコロニーがトイトッキというのは知りませんでした。
トイトッキはマガン、ヒシクイが飛来する時期には良く訪れていますが、アオサギには気付いていませんでした。
春になって、営巣のために枝を運ぶアオサギに出会えることを楽しみにしています。


2010/01/25(Mon) 23:57      まつ@管理人      Re: 幕別のコロニーについて

一覧表のほう(地図もですが)ははまだまだ手入れが必要でして、常時、正確な情報をお伝えするというところまではなかなか至りません。一覧表に載せてあるコロニーもひととおりは自分の目で確認してきましたが、さすがにそれを毎年やるというわけにもいかず、その後のコロニーの動向については皆さんからの情報に多くを頼っているのが実情です。そんなわけですので、皆さんからの観察情報はとてもありがたく、いろいろと参考にさせていただいてます。

十勝のアオサギは浦幌が消滅したあたりからかなり短いサイクルでコロニーを変えている気配があり、道内に限って言えば、個体群動態が現在もっとも不安定な地域ではないかと感じています。この先、どういう状況になって落ち着くのでしょうね。そちらで変わったことなどありましたら、またぜひご報告ください。

2009/05/06(Wed) 22:20      まつ@管理人      網走湖コロニー

網走湖畔の営巣地はアオサギ単独のコロニーとしては国内最大だと思います。ただ、その割にはそれほど人々の関心を引いてないのが残念なのですが。これはこのコロニーが平坦地にあって内部の状況をうかがい知れないことが理由のような気がします。

以前、私は冬にこの森で営巣環境の調査をしたことがあります。その時、確認した巣の数は、大きなもの小さなもの壊れたもの全て含め、なんと1300以上。もちろん冬なので巣の主はいませんが、頭上に広がる圧倒的な光景はまさにアオサギの王国とでも呼びたくなるほどでした。ただ、これら無数の巣のうち、どれだけが実際に使われているのかは分かりませんでした。

今回、NHKの「さわやか自然百景」のロケに同行し、私ははじめてコロニーの全貌を見渡す機会を得ました。湖畔近くの高台に据えたバケット車からコロニーを見下ろしたのですが、そこから営巣を確認したのは413つがい。陰になって見えていないのも考慮すると、おそらく450~500巣程度になるのではと思います(写真はコロニーの一部)。

近年、アオサギの多くは人為的な影響を受ける環境に営巣せざるを得なくなり、このコロニーのように昔ながらの営巣環境が保たれている所は少数派になってしまいました。今回の番組は、そんな場所でのアオサギの暮らしぶりを映像に残したという点でもとても貴重だと思います。今後何年何十年か経って、これが「過去の貴重な映像」になっていないようにと願わずにいられません。

2007/04/24(Tue) 02:01      kim      夕張のコロニー

営巣場所の公開に関してはバーダーの間でも議論の種になっていますが、私は営巣地を公開することはコロニーの保護につながると考えます。そういうわけで、コロニーの情報を投稿いたします。場所の表記に少々曖昧な点があったため、もしかしたら既にそちらの方で把握されているコロニーかもしれませんが、ご容赦願います。

場所はJR夕張支線南清水沢駅から東へ坂を下って道道1008号線を左折し、北に200mほど行ったところの道路右側です。夕張川の河畔が崖になっており、その上の数本の針葉樹に営巣していました。営巣数は時間がなかったのと裏側が崖で観察できないためわかりません。申し訳ありません。ただ、小規模なコロニーという印象でした。


2007/04/24(Tue) 06:05      まつ@管理人      Re: 夕張のコロニー

kimさん、ありがとうございます。お教えいただいた場所ですが、これはやはり私の知らないコロニーのようです。あの辺りはもともと清水沢ダムの斜面にコロニーがあったのですが、1995年にヒグマに襲われ放棄して以来、少々不安定なのです。

教えていただいた場所を改めて地図で見てみました。数年前まであった若葉町のコロニーと、現在この地域で最大の個体数を擁する鹿の谷コロニー、それと今回の南清水沢のコロニーがちょうど三角形の頂点になるような位置関係です。昔ヒグマに襲われて消滅した遠幌コロニーはこの三角形の中にあります。この位置関係から推測すると、最初にあった遠幌コロニーが餌場への距離がもっとも短く、餌場環境という点で見る限り営巣するには最適の場所だったのだと思います。この地域のアオサギたちは、その最初のコロニーに住めなくなったために次善の場所を求めて、今あちこちで思考錯誤しているというところなのでしょう。

2006/10/16(Mon) 19:13      まつ@管理人      北海道コロニー情報

渡りの主役がガンからハクチョウへと少しずつ入れ替わりつつあるこの時期、ガン・ハクチョウほどおおっぴらではありませんが、アオサギたちも人知れず南へ南へと向かっているはずです。

さて、北海道でガンといえば、渡りの中継地である宮島沼が有名です。じつはここ、アオサギの営巣地でもあるのです。この春、知人から教えられるまで私も知りませんでした。アオサギのコロニーがあるのは沼の北側の防風林(写真)。ドイツトウヒに巣をつくっているので、じっくり見ないとなかなか気づきませんが、全部で30~40つがいが営巣しているようです。ここ数年、沼に来るアオサギの数が多くなっていたので、どこのコロニーから来るのだろうと不思議に思った人もいるのではないでしょうか。私も比較的近隣のコロニーから来るものと想定して、あのコロニーかこのコロニーかといろいろ根拠の乏しい推測をしていたのですが、こんな目と鼻の先にあったとは。灯台もと暗しとはこのことですね。

ガンやハクチョウが沼を去り終えた頃にはアオサギもいなくなっていることでしょう。
アオサギがいなくなれば、いよいよ秋深しです。

2006/05/12(Fri) 23:18      ヒロ      新コロニー?

今日、旭川から朱鞠内湖に行く途中、幌加内町を過ぎて一番最初の橋の近くでアオサギのコロニーを見かけました。数は4~6羽位確認出来ました。本当に小さなコロニーなので新しいのでしょうか?
一応写真を撮りましたが、携帯なのでよくわからないと思いますが、一応送っておきます。画面中央やや斜め右上辺りです。


2006/05/13(Sat) 12:16      まつ@管理人      Re: 新コロニー?

この場所については全く知りませんでした。貴重な情報ありがとうございました。写真を拝見すると5つくらい巣がありそうですね。

幌加内の市街近くでは過去に2ヶ所コロニーがあったはずですが、具体的な場所は分かっていません。しかし、この場所ではないので間違いなく新しいコロニーです。

コロニーによっては何年経っても十巣程度でそれ以上大きくならない場合もありますから、小さいからといって必ずしも最近できたものとは限りません。ただ、このコロニーの場合、付近に雨竜川や水田など餌場となる水辺が十分にありますから、数つがいで目一杯ということにはならないはず。そう考えると、このコロニーはつくられてまだ間もないのではないかと思います。営巣場所の環境さえ整っていれば、将来、少なくとも4、50巣の規模にはなるのではないでしょうか。

ところで、このコロニーは広葉樹に巣がかけられているんですね。近頃のコロニーは針葉樹につくられることが多いので、広葉樹林にあるコロニーを見ると、文化の多様性が維持されているような気がしてほっとします。

この地域のアオサギにとても詳しいエゾミユビゲラさんへ。
このコロニーについての新たな情報、勝手に期待しています。


2006/05/13(Sat) 20:05      ヒロ      Re: 新コロニー?

そうですか~新発見でしたか。この場所は雨竜川の河畔林にあります。本当に橋からすぐの場所でした。写真は車の中から撮ったものですから、想像つきますよね?
また近々幌加内に行くと思いますので、アオサギの邪魔にならない程度に見てきます。


2006/05/13(Sat) 22:22      エゾミユビゲラ      Re: 新コロニー?

町外の人にコロニーを教えてもらうとは思いませんでした。管理人さんのご期待にも沿いたいと早速確認してきました。今年の4月初めまではありませんでしたから、できたてのコロニーです。メインの木に7巣と別の木2本にそれぞれ一つずつの合計9巣で、抱卵中でしたが、全部の巣に入っているかどうかは、時間が無く確認できませんでした。

この河畔林はあまり大きくなく、また営巣に適した木の数はあまり多くは無いと思うので、それほど大きなコロニーには成長しないのではないかと思いますが、見守って行きたいと思います。

幌加内の巣について私も過去、うわさのあったあたりを探した事がありましたが、見つかりませんでした。朱鞠内湖畔のコロニーは非常に不安定でここ数年営巣しておりません。

雨竜川系のコロニーは、宇摩、鷹泊、朱鞠内と見ていくと、宇摩と鷹泊は車で10分程に過ぎませんが、アオサギの営巣時期のずれは約1週間、朱鞠内湖となると1ヶ月も遅れます。巣立ち時期や渡りまでの間の、漁の習熟時間などを考慮すると、限界なのかも知れません。特に今年などは、ゴールデンウィークにまだ湖面が結氷していて、水面が見えないような年においては・・・。


2006/05/14(Sun) 17:38      まつ@管理人      Re: 新コロニー?

勝手なお願いにもかかわらず、お忙しい中さっそく見てきていただき本当にありがとうございました。コロニーがあったという情報も貴重ですが、それまで無かったという情報もなかなか得られるものではなく有り難いです。

営巣の開始時期、ひと月も違うんですね。一般に、緯度、標高が高くなると繁殖時期は遅くなるはずですが、宇摩・鷹泊から朱鞠内湖までは40キロそこそこ、標高にしても朱鞠内湖のほうが高いとはいえ、その差はたかだか200メートル、それでひと月というのはびっくりです。アオサギがひとっ飛びで行けるほどの距離の間に、そこまで繁殖条件の異なるコロニーがあるというのはかなり珍しいのではないでしょうか。

ぎりぎり繁殖できるかできないかという場所を、敢えて選んでいるアオサギというのはどういう個体なのか、これも興味ある問題ですね。

2005/05/17(Tue) 22:32      まつ@管理人      コンビニの裏で

北海道で久々に新たなコロニー発見の知らせがありました。厚田村の役場近く、セイコマートの裏だそうです。このコンビニは国道沿いにあるので何度も利用していたのですが、そのすぐ裏で子育てが行われていたとは。普通、そんな場所にコロニーがあるとは誰も思いませんよ。(規模はごく小さいようです。)
あのセイコマート、もしかすると村中で日常的に人の出入りが最も多い場所でないかと思うのですが。他に営巣できる場所が無いのであればまだしも、そうでないのに敢えて人の多い環境を求めてきたというのは一体どういうことなのでしょう? 札幌辺りの街中で人込みに慣れたサギたちが移り住んだのでしょうか? 私は山間でひっそり暮らしていたサギたちが町に下りてきたような気がするのですが。たとえば、ヒグマに追われて…。

これで道内の現存コロニーは77ヶ所になりました。

2004/07/31(Sat) 19:04      まつ@管理人      旭岳を望むコロニー

北海道にまたアオサギの新たな営巣地が確認されました。
規模はごくごく小さくて、2巣か3巣といったところ。場所は旭岳の天人峡に向かう途中にあります。山の中ですが、間近に旭岳が絶好のアングルで望まれ、景色の良さという点では数ある北海道の営巣地の中でも五指に入るでしょう。しかし、そんな山の中にあるのに、コロニーのある場所は山中に一軒だけぽつんとあるドライブインのすぐ近くなのです。現場を見れば一目瞭然ですが、ここのアオサギたちは敢えてドライブインの近くを営巣場所として選択したとしか思えません。
人の生活圏にくっつきすぎず、しかし離れすぎもしない、この微妙な距離の保ち方が最近のアオサギのトレンドのようです(あくまで北海道での話ですが)。

このコロニーの前には忠別川が流れ、その川はいま巨大なダム湖に変わろうとしています。さて、そうなった後、アオサギたちはまだその場に留まるでしょうか、あるいはエサ場を無くして流浪することになるのでしょうか。今後の動向に注目です。

ところで、ここまで書くと場所が特定できた方もおられると思いますが、旭岳をバックにアオサギの子育ての写真を撮ろうなどと考えても絶対に無理です。コロニーの場所が分かっても巣さえ容易に見えないところですから。いさぎよく諦め、そっとしておいてあげましょう。


2004/08/06(Fri) 18:24      ヒロ      Re: 旭岳を望むコロニー

去年4月頃ここをたまたま通りかかった時に、僕も見ました。その時は突然、確かパーキングエリア?の端から大きな物体が飛び立ち道路を挟んだ林の中に消えていきました。木の枝のような物を咥えていました。多分管理人様と一緒の場所ですよね? 近年頻繁に目撃するようになりましたが、意外な場所での発見で驚きました。
山の中といえば、去年辺りから大雪湖の周辺でも見かけるようになりました。行く度に目撃するので、コロニーでもあるのでしょうか?なんだか生息数が増えているのか、嬉しいですね。


2004/08/07(Sat) 02:44      まつ@管理人      Re: 旭岳を望むコロニー

まさに同じ場所だと思います。あんな人目につかない小さなコロニーでも気付く人はちゃんと気付いてるんですね。近くのドライブインのおばさんの話では、少なくとも昨年から営巣していたということでした。それから前回書くのを忘れましたが、このコロニー、場所としては美瑛町になります。

北海道のアオサギのコロニーはほとんどが平地近くにあるので、このくらい山に入った場所での営巣は珍しいです。標高約450m。北海道では他に山中のコロニーが無いわけではく、一応知られている全てのコロニーをチェックしてみましたが、300m前後のコロニーがいくつかあっただけでした。
標高が高いとそれだけ雪解けも遅いでしょうし、そうなると巣作りの時期も遅れるはずで、それに付随して何かと子育てにも不自由がありそうです。にもかかわらず山の生活を選ぶというのはいったい何なのかなと思ってしまいます。けれども、人間の場合でも好んで山での暮らしを選ぶ人がいるのですから、サギがそうであっても一向に構わないのだとも思います。

私たち人間は野生の動物を見るとき、彼らが同じ習性をもって同じ行動をとるものだとついつい思い込みがちです。けれども、動物の個性というのは人間の想像をはるかに超えて豊かなものだと思います。アオサギの場合も同じで、十鷺十色?という部分を理解しないと本当のところは見えてこないのかもしれません。

ところで、ヒロさんの言われるように、もし大雪湖辺りでも繁殖しているとすれば、湖面が約800mですから、これは標高という点では大幅な更新になりますね。雪解け時期を考えると普通はありそうもないことに思えますが、生息環境や営巣場所という点ではいつも意表をついてくるアオサギのことです。行く度に目撃するということであればひょっとするかもしれませんね。

2004/07/11(Sun) 23:27      まつ@管理人      沼の上コロニー

道内にまたまた新たな営巣地が見つかりました。場所は紋別市沼の上です。昨年、初めて営巣したということで、規模は10巣あるかないかの小さなもののようです。コロニーの近くにはシブノツナイ湖やコムケ湖など絶好の餌場があります。

コムケ湖といえば、かつて300巣を超える巨大コロニーがあったところです。けれども、そのコロニーでのアオサギの暮らしはわずか6年しか続きませんでした。どこからともなく大挙してやってきて、原因不明のままきっぱりと去っていったのです。太く細く存在したどこか幻のようなコロニーでした。

それが1990年のことです。それから14年、湖や付近の環境はほとんど変わっていないように思えます。
さて、今度のサギたちにはどんな未来が待っているのでしょうか。

2004/07/01(Thu) 20:49      まつ@管理人      水上生活

北海道のアオサギ営巣地に小樽の朝里ダムを追加します。

ブイの上での営巣です。このブイはゴミ除けのネットに取り付けられたもので、ダムを横断するようにつながっています。その中間付近にボート出入り用のゲートがあります。そしてそこだけはゲート開閉の際に人が乗れるように1.5m四方の台が取り付けられています。アオサギの巣があるのはこの台の部分です。

これと同じような営巣形態としては北海道では幌向川ダムが知られています。ただ、あちらのはブイそのものに巣を乗せているのでとても不安定です。それに比べてこちらは平面に置かれているので少々の風くらいでは何ともなさそうです。まったく良い場所を見つけたものだと思います。

何故このような場所につくるのかはよく分かりません。たぶん地上からの捕食者を避けているのだとは思いますが‥‥。やっぱりヒグマでしょうか?

ここのゲートは2ヶ月に1度、水質検査のためボートが通るということです。アオサギはそのたびにパニックになっているはず。にもかかわらずこんな所で頑張っているのです。木の上で暮らすのがよっぽど嫌なんでしょうね。

2004/06/06(Sun) 07:29      まつ@管理人      新たなコロニー追加

北海道内に新たな繁殖地が2ヶ所見つかりました。情報は、それぞれ別々の知人からいただいたものです。

ひとつは本別町の牧場裏にあるコロニー。3年前からあるそうで、カラマツに数巣程度が営巣しているということです。このように牧場に隣接して営巣するというパターンは意外に多いです。アオサギは牛がいると安心するのでしょうか? 牛のほうはアオサギの声がどうも好きではないらしいのですが・・・。

もうひとつは浦幌のコロニー。国道からすぐのところで、100巣はありそうだということです。浦幌といえば、かつて300巣はあるかという道内屈指の大規模コロニーがあった所ですが、近年、そのコロニーのアオサギは徐々に少なくなっていました。話によると、今年は全くいないのだとか。どうやら、その代わりにできたのが今度見つかった新しいコロニーのようです。両コロニーの場所は3kmほどしか離れてないので、旧コロニーから大部分ないし全てのサギが移ってきたとみて間違いないでしょう。旧コロニーが消滅した理由は、いつもながらはっきりしたことは分かりません。ただ、コロニーの前を流れる川が直線化されたので、これが影響した可能性は十分あると思います。

ところで、浦幌の旧コロニーは十勝地域最古参のコロニーでした。長い間、十勝のアオサギ地域個体群の核となって、その屋台骨を支えてきたわけです。そう思ってみると、昔からの大規模コロニーは、野幌をはじめ、釧路湿原、浦幌と、ここ7、8年のうちに軒並み無くなってしまいました。いずれも北海道を代表するコロニーだっただけに、ことのほか残念です。

2004/04/30(Fri) 23:21      avoさん      アオサギ

岩見沢の志文町を追加して下さい。
雪のある3月からアオサギが飛んでいるのを確認していましたが、昨日巣が30以上確認出来ました。234号線を岩見沢から行くと、栗沢町の境界に近い志文町にアオサギが繁殖しているようです。234号線からは上りからも下りからも見られます。ただ危険ですので、本線からちょっとはずれてゆっくり見て下さい。


2004/05/01(Sat) 09:32      まつ@管理人      Re: アオサギ

その地域では、ご指摘された位置から7、8km東北にコロニーがありました。このサイトのリストで宝池と記しているコロニーです。ところが、どうしたことか昨年から全くいなくなりました。どこへ行ったのだろうと心配でしたが、そんな所にいましたか。前のコロニーも数十巣規模でしたから、たぶんコロニーごと動いたのだと思います。宝池のコロニーは、貯水池のもっとも奥で人が入るようなところではないですし、なぜ移動しなければならなかったのか不思議です。このコロニーのサギたちは、半ばまで水に浸かった丈の低いヤナギ林に営巣していました。ほとんど水に浮いているような巣もある一風変わった場所でしたから、増水などのハプニングで被害があったのかもしれません。けれども、今度新たにできたコロニーの立地環境をみると、何か地上性の捕食者を避けたかったのかなと思ったりもします。


2004/05/01(Sat) 20:55      まつ@管理人      Re: アオサギ

教えていただいたコロニー、今日の昼過ぎに見てきました。
コロニーの立地環境は予想通りで、最近多くなってきた都市型のコロニーでした。すぐ近くを車がびゅんびゅん走り、営巣木から20mと離れていないところに民家があり、といった環境です。巣に数については、利用の有無まではきちんと見てこれませんでしたが、見える範囲で65個ありました。
ところで、たまたま通りがかった散歩のおばさんに尋ねたところ、5年前にはすでに営巣していたということです。宝池から昨年移動して来たなどといい加減な推測をしてすみません。ただ、昨年はとくに多かったそうですから、宝池のサギたちも合流したのかもしれません。

2004/02/28(Sat) 22:07      まつ@管理人      釧路に新たなコロニー

久々に新たなコロニーが見つかりました。昨年から営巣を始めたということで、場所は釧路市の丹頂鶴自然公園横の林です。

飼育されているツルにアオサギとくれば、彼らの間で何が起こっているか容易に想像がつきますね。ご想像どおり、ツルに与えられた餌(ウグイなどの魚)をサギが横取りしているのです。とはいえ、公園を管理されている方の話では、ツルが食べ残したものをサギが食べるので、サギが食べる量は大したものではないとのことでした。コロニーの規模も10巣あるかないかの小さなものですし、今のところ人とサギとの間で問題は生じてない様子です。飽くまで、今のところ、ではありますが…。

人が他の動物に与えた餌をアオサギがそばから奪い取るという例は、近頃あちこちの動物園で目撃されるようになっています。北海道だと釧路動物園の例がよく知られていて、ここは動物園の裏山にかなり大きなコロニーがあり、ゲージの中で飼われているツルの餌をアオサギが狙うのです。じつは、このコロニーと今回見つかったコロニーは5kmほどしか離れていません。新しいコロニーのサギたちは、たぶんこの動物園のコロニーから来たのでしょう。ツルの餌を横取りするという文化?を携えて。

アオサギと言えば、人の世界とは一線を画し、自然の中で生きた獲物しか捉えない、とずっと私は思ってきました。上で挙げた動物園のような事例はあっても、それはあくまで例外的なものだと。野生の王道を行くイメージが強いんですね。少なくとも私の中では。だから、フェンスの上でツルのおこぼれを狙うアオサギを見たときはかなりショックでした。しかし、それが現実ですし、餌がそこにあるのにチャンスをみすみす逃してしまうほうが、よっぽど野生の名に恥じる行為なのかもしれないと、今はそう思っています。

2003/06/13(Fri) 06:39      まつ@管理人      6コロニー追加

最近の調査で道内にまた新たなコロニーを確認したので御報告します。今回確認したのは全部で6ヶ所。芦別、野花南、江部乙、砂川、丸加高原(以上、空知地方)、そして鹿の谷(夕張)です。このうち丸加高原のコロニーは10年近く前に放棄されているようです。空知地方には以前から多くのサギが目撃されていたので、いずれコロニーが見つかると思っていたのですが、まさか現存コロニーが4ヶ所もあったとは。

夕張にある鹿の谷のコロニーは、昨年までの営巣地が別の場所に移動したもののようです。この営巣地は今回が2度目の引っ越しなのですが、面白いことに、ここのサギたちは引っ越しのたびに大きな町を目指すのです。だんだん人慣れしてきたのでしょうか。あるいは、人が近くにいることに何か利点を見出しているのでしょうか。じつは、他に営巣可能な場所があるにもかかわらず、わざわざ人間の居住区近くにコロニーを構えるというのはこのコロニーだけではありません。他にもいくつか同じような例があるのです。何か意味があると思うのですが、この現象について皆さんどう思われるでしょうか?

というわけで、道内コロニーは、すでに消滅したのも含め109ヶ所にも達しました。ここまで多くなると、コロニーの位置図もごちゃごちゃして、分布にどのような傾向があるのかよく分からなくなってきました。けれども、地形図と対比させて見てみると、石狩川、天塩川、十勝川など、大きな川沿いにはきっちりとコロニーが並んでいるのが分かります。アオサギの分布は水域の分布と切り離して考えられないこということですね。まあ、水に依存して生きているのは人間も同じことなのですが。そう思ってもう一度コロニーの分布図を見ると、人間の生活圏とコロニーの分布域がかなり共通していることに気付いたりもします。

2003/02/19(Wed) 23:10      まつ@管理人      湿原のコロニー

先日、釧路湿原のコロニー跡を訪ねてきました。このコロニーは広大な湿原に点在するハンノキ林の一角にあるのですが、今はボロボロになった巣がいくつか見られるだけの淋しいところです。200近い巣があったと言われる往時の面影は全く無く、コロニーの残骸といった感じです。

それにしても、これほど安全な場所を放棄したのはいったい何故なのでしょう? スキーで何時間もかかるような場所ですから、少なくとも人が侵入することは無かったはずです。餌場がなくなったからだと言う人がいます。ここのアオサギは近くにあった小川をよく利用していたということですが、湿原内を横断する堤防道路の補修工事(釧路沖地震で壊れたため)に伴い、この小川も改変され、魚が捕れなくなったというわけです。もっとも、餌場はその小川だけとは限らないのですが。

他に、人に慣れてきたのではと指摘する人もいます。営巣できる適当な林さえあれば、そこに人が多少入っても昔ほど警戒しなくなったのではと言うのです。つまり、以前はどんなに餌場が近くても人の出入りがあるような場所は避けていたのに、最近はあまり人を恐れず、できるだけ餌場に近い場所を選ぶようになったと。

釧路湿原のコロニーといえば、かつて北海道を代表するアオサギコロニーのひとつでした。今、そこにいたサギたちは、湿原の周囲に新たな営巣地を見つけ分散して暮らしています。「新しい生息環境で上手くやっているのだからそれでいいじゃないか」という意見もあります。けれども、本当に上手くやっているかどうかはよく分かりません。以前に比べ繁殖の失敗が多くなっているかもしれませんし、ひとつがいが育てるヒナの数が少なくなっているかもしれません。ただ、ひとつだけはっきり言えるのは、コロニーが人間の生活圏に近づいたことで、アオサギと人との軋轢が増したということです。

残念なことに、人里離れたところにあった大規模コロニーが放棄され周辺に分散するという事態は、釧路だけでなく全道各地で起こっています。そして、その都度、アオサギと人との間に様々な摩擦が生じ、アオサギは厄介者扱いされてきました。けれども、ほとんどの場合、人がアオサギの生息環境を改変してきたことがそもそもの原因なのです。そのことを忘れてはならないでしょう。

2003/01/22(Wed) 22:27      まつ@管理人      大規模コロニー

北海道には昔からよく知られているアオサギのコロニーがいくつかあります。例えば、苫小牧の明野や、釧路湿原、札幌近郊の野幌といったところです。いずれも大きなコロニーで、数あるコロニーの中でもその地域の中心的な存在でした。しかしそれらのコロニーも周辺環境の変化に晒されつつ、いつしか消えてなくなりました。そんな中、昔も今も変わらず隆盛を誇っているのが網走湖畔のコロニーです。最近はゴイサギまで一緒に営巣しはじめ、ますます賑やかさを増したようです。

さて、このコロニー、特徴は何と言ってもその大きさにあります。その広さはいったん林に入るとコロニーの果てが見えないほどで、ヤチダモやハルニレの巨木にかけられた巣の数はゆうに1300を超えます。もっとも実際に使われている巣はこのうちの何分の一かだと思いますが、アオサギ単独のコロニー(とは数年前から言えなくなってしまいましたが)としては間違いなく国内最大級でしょう。ただ、このコロニーは林床の湿性植物群落が天然記念物に指定されているため通常は入林できません。十分な積雪があって林床の植生が踏圧から保護されているような時期であれば、限定的に入林を許可してもいいのではないかなと思うのですが…。あれだけインパクトのあるコロニーでありながら、コロニーの内部に身を置く体験(もちろん冬期ですが)ができないのはあまりにもったいないと思うのです。

ついでながら、大規模コロニーということでは、ヨーロッパで1300つがいのアオサギコロニーが知られています。

2002/08/20(Tue) 21:31      MASA      道北の剣淵にいつも・・

故郷が剣淵なので毎年帰るのですが、今年もいました。剣淵川の士別との境界のところに毎年必ずいます。今年は2羽見かけました。地元の人の話では、かなりの数がいるようですね。昔、鷺はほとんどいなかったようですが・・・


2002/08/21(Wed) 21:35      まつ@管理人      Re: 道北の剣淵にいつも・

剣淵にもコロニーありますよ。私の知っているコロニーの場所は、国道が士別から剣淵へ入って大きく右にカーブする辺りです。国道のすぐ右脇の孤立林(ハルニレに営巣)なので、葉っぱのない春先なら子育てしているのがすぐ目に入ると思います。MASAさんが見られたのは、場所から言ってもそのコロニーで繁殖していたサギたちなのでしょう。
このコロニーは手前がスイートコーン畑になっています。これが水田だったりすると、稲の苗が踏みつけられるとか苦情が絶えないのですが、ここの場合は畑なので一安心です(離れたところの田圃はやはり荒らしているようですが…)。畑を所有されている方のお話では、一昨年に2つか3つの巣ができたのが始まりで、その後、去年、今年と10数つがいが繁殖したそうです。
道北のほうでアオサギが繁殖するようになったのは20年くらい前だと思いますが、ここ10年ほどで天塩川沿いにいくつものコロニーができ分布域が一気に広がりました。それら一連のコロニーの中では剣淵のコロニーが最も新しく、分布域拡大の最前線といったところでしょうか。

2002/08/10(Sat) 09:55      まつ@管理人      コロニーリストの更新

今回は大幅な更新です。13ヶ所の繁殖地を新たに加えました。ただし、この中には既に消滅したコロニーが5ヶ所(名寄町智恵文、端野町、端野町忠志、長沼町あるいは恵庭市の千歳川、黒松内町賀老川)含まれています。また、別の5ヶ所(阿寒町尻駒別川、阿寒町パンケトウ、豊頃町大津、幌加内町、千歳市長都)については過去に存在が確認されていますが、昨年以降のことは判りません。現在繁殖していることがはっきり確認されたコロニーは3ヶ所(留辺蕊町、置戸町、黒松内町)のみです。なお、このうち黒松内には既に別のコロニーがありましたので、今までのは熱郛コロニーとして区別しました。

さて、これで北海道で確認されたコロニーの総数は95となりました。このうち30弱のコロニーについては既に消滅したか消滅している可能性が高く、現存するコロニーのみに限ると65程度になると思われます。

コロニーの数は近年明らかに増加し、同時にその分布も道内各地に広がりました。一見すると、北海道はアオサギの楽園であるかのようです。けれども実際はどうなのでしょう。北海道は本当にアオサギにとって住みやすい環境なのでしょうか? コロニーの数や個体数は一つの指標ではありますがそれだけでは十分ではありません。例えば、ヒナ数や生存率、それに翌年同じコロニーに戻ってくる割合なども地域によって異なるはずです。そして、それらにはそれぞれの繁殖地のローカルで些細な状況や出来事がいろいろな形で影響してきます。一口にアオサギの繁殖地といっても、その環境は地域によって千差万別です。ある地域では当たり前の環境も、他の繁殖地ではちっとも当たり前でないかもしれません。アオサギが現在の状況をどう捉えているのか、それを理解するにはアオサギと生息環境との関係をコロニー単位でひとつひとつ検討していくことが必要です。
繁殖地で気付いたことなど、引き続き書き込みをお待ちしています。

2002/07/16(Tue) 08:35      まつ@管理人      当別コロニー

北海道、当別町に新たなコロニーが見つかりました。側面から見た感じでは多くても20数巣の比較的小さなコロニーです。さて、このコロニー、特徴はおそろしく辺鄙な場所にあるということです。周囲数kmにわたって道路や鉄塔以外に建造物が何もなく、畑や田圃さえありません。ここまで人里離れたコロニーというのは北海道でもほとんどありません。釧路湿原のコロニーが消滅した今となっては、ここが唯一の場所でしょう。営巣場所としては安心できる場所なのでしょうけど、何もここまで奥へ引っ込まなくてもという感じです。
最近、人間の生活圏にどっぷり入り込んだコロニーが流行のようですが、一方で人間と関わりなく子育てしているコロニーも歴然としてあるのですね。

2002/06/02(Sun) 13:22      まつ@管理人      2コロニー消滅

繁殖地の最新情報です。今回は新たなコロニーはありません。その代わり消滅したコロニーが2ヶ所あります。ひとつは足寄町仙美里ダムにあったコロニー。ここがなくなった理由はよく分かりませんが、もともとあった場所がダム湖斜面の崩壊地すぐ横だったので、崩壊の範囲が拡大したのかもしれません。もうひとつは阿寒の町はずれにあったコロニー。ここはカラマツ林伐採による消滅です。国道からすぐ脇に見えるコロニーだったのですが、知る人ぞ知るようなコロニーで、国道を挟んだ向かいに住む人でさえ「そんな鳥がいたなんて…」という有り様でした。他に消滅ではありませんが、厚岸ではコロニーが3分裂しています。ここはどうもオジロワシが原因のようです。オジロについては釧路動物園でも頻繁に襲撃が見られるなどこのところ各地で同様の事例が相次いでおり、また改めて書いてみたいと思います。

繁殖地の話のついでに。しばらくコロニーのリストに帯広を載せていましたが、これは私の単純ミスです。帯広には今のところコロニーは確認されていません。訂正してお詫びします。

2002/05/22(Wed) 19:54      まつ@管理人      中頓別コロニー

新たなコロニーの確認情報です。
今回のコロニーは北海道の北の方、中頓別町にあります。最近は道北にコロニーができても珍しくなくなりましたが、つい20年ほど前まではアオサギの繁殖は確認されていませんでした。日本野鳥の会のフィールドガイドでは、それぞれの鳥の繁殖分布がピンク色で示されていますが、アオサギの道北部分は今でも白地のままなのです。
このコロニーは、出来てまだ5、6年ということで、アオサギの数も少なく道路端にある割には目立ちません。知らなければ気付かずに通り過ぎてしまうところです。敢えて車を止めて木の間越しに20mばかり離れた巣を見上げると、首をすっくと上げて警戒されました。このところ、まるで人怖じしないサギたちばかり見てきたので、「ああ、本来のサギはこうなんだよな」と改めて思い知らされた次第です。

2002/05/10(Fri) 22:13      コロンボママ      多分アオサギ?

はじめまして。
昨年4月より、転勤で白老町へ来ました。
見慣れぬ大きな鳥を見つけて、アオサギではないかと、ネット検索していましたらここへたどり着きました。
白老町のとある沼の林の樹上にいくつも巣があり鳥も沢山飛び交っています。
ヒナを育てているのでしょう。林の中にいると異様なざわめきが聞こえます(笑)

デジカメでとったのでかなりボケた写真ですが、今日うちのHPのbbs(club house)に写真を貼りましたのでよろしかったら確認してみて下さい。


2002/05/11(Sat) 20:13      まつ@管理人      Re: 多分アオサギ?

コロンボママさん、はじめまして。
写真拝見しました。間違いなくアオサギですね。白老にコロニーというのは私も初耳で、近いうちに是非見て来ようと思います。ありがとうございました。

ところで、苫小牧を中心とした一帯はこれまでいくつものコロニーがつくられてきた地域です。アオサギにとってずいぶん居心地が良い所なのでしょう。白老の近くのコロニーというと10年以上前に樽前(確かな場所は私も知りません)にあったのが知られていますが、そこはずっと前に消滅しています。もしかすると、白老のコロニーは樽前コロニーの後を継ぐかたちでつくられたのかもしれません。その辺の事情も現地へ行って明らかにしてきたいと思います。

今の時期、コロニーは様々な鳴き声が入り乱れとても賑やかです。小さなヒナの「クァッ、クァッ、クァッ、クァッ」というリズミカルな鳴き声に、「ギャー」とか「ゴー」とかいう親の奇声が加わり…。確かに異様なざわめきですね。


2002/05/12(Sun) 16:16      コロンボママ      Re: 多分アオサギ?

アオサギがこんな身近に生息しているなんて、とっても驚きです。
詳しくはわかりませんが、多分、個人の私有地の中だと思います。
北海道の自然が好きで、時々近くの山地へ野草の写真なんか撮りに行くのですが、ここはあんまりにも簡単に近くまでいかれるような場所だったので特に感動というか驚きというか、そして心配(^-^;ゞ
いつまでもアオサギのコロニーとして守られればいいなと願ったりしています。

2002/04/22(Mon) 20:37      まつ@管理人      新たなコロニー情報

ここひと月ほどでコロニー発見の情報が3件寄せられました。どれもごく最近つくられたもののようです。

ひとつめは朝日町。天塩川最上流部にある町で、去年あたりからどうやら繁殖しているらしいという噂のあったところです。やはりあったようです。これで、天塩川流域に住むアオサギが上流部へ向かう開拓物語も完結しました。先日、地元の北斗新聞に載ったとか記者の人が知っているという話が伝わってきたので近々現地で確認してきたいと思います。

ふたつめは平取町。日高沿岸の町々は一町一コロニーという感じで点々と繁殖地が並んでいます。しかし平取にはこれまで知られていません。おそらく初記録です。たぶん隣の穂別コロニーから分散したものでしょう。あの悪名高い二風谷ダムが結果的にアオサギの新たな餌場を作り出したのかもしれません。教えていただいた方の話では、去年約10巣、今年さらに増えているということでした。

最後は黒松内町。この近くには、日本海側に寿都コロニー、太平洋側に長万部コロニーがあります。今回、その中間の黒松内にコロニーが確認されたことで黒松内低地帯を横切るコロニーベルト?が確立されました。この低地帯、コロニーの希薄な道南にしてはアオサギにとって特別な地域なのかもしれません。ところで、黒松内であればブナの営巣木とか見てみたいものですが、残念ながらブナ林に用はなかったようです。このコロニーについては、今日、二人の方から別々に連絡を頂きました。

情報を寄せていただいた皆さん、ありがとうございました。

2002/01/16(Wed) 22:39      まつ@管理人      江差コロニー

道南の江差にコロニーがあるという報告を受けました。道南方面は他の地域に比べるとコロニーの密度がやや希薄な感があったのですが、これで5ヶ所目のコロニーです。江差、寿都、雷電岬と日本海側が多いですね。太平洋側は長万部のみです。ただ、道南地方は自分の調査活動や情報源が少ないこともあって、コロニーを見落としている可能性が他の地域にくらべると高いと思います。道南で他にあるとすれば八雲の遊楽部川あたりでしょうか。どなたか御存知でしたら是非ご一報下さい。

2001/12/01(Sat) 10:02      まつ@管理人      天塩川流域コロニー群

以前、天塩川流域に散在するコロニーについて書きました。これら一連のコロニーを、成立した年代順に並べると、河口部のほうが古く上流になるにつれ新しくなります。つまり上流部へ向け生息域を拡大してきたのだろうと推測されます。その時点で判っていたもっとも上流のコロニーは名寄にあります。実はこのコロニー、私はこの春まで知らなかったのですが、93年の発見というから出来てもう十年近くになるようです。遅ればせながら先日調査に行って来ました。残念ながら既に巣に雪が積もっており今年の営巣数調査はあきらめましたが、100巣程度はあるということです。山の斜面のトドマツ林で、周囲も落ちついた環境でした。最近は何かと問題を抱えた町中のコロニーばかり見ていたので、こういう場所にあるコロニーを見ると安心します。
さて、この名寄コロニーは、天塩川の中流域(実際はその支流の名寄川沿い)に位置します。この先さらに生息域が拡大するとするなら、より上流へ向かうだろうということは容易に想像がつきます。上流なら士別市か、天塩川どん詰まりの朝日町かでしょう。地元の方とそんなことを話していた矢先でした。士別市の隣、剣淵町にアオサギが今年から営巣し始めたという情報が入りました。行ってみると、10巣ほどの小さなできたてのコロニーです。目の前には国道40号、すぐ背後は高企画道路が目下工事中、と決していい環境とは言えませんが、天塩川流域コロニー群の中ではまさに最前線、来年以降もなんとかがんばって営巣して欲しいものです。

2001/10/24(Wed) 18:59      まつ@管理人      鷹泊、愛別コロニー

久しぶりに調査に出かけました。今回訪れたのは深川市鷹泊と愛別町のコロニーです。どちらも典型的な内陸型の繁殖地で、川に面したところにコロニーがあります。餌場は川の浅瀬と水田。営巣数は鷹泊が30、愛別が13でした。愛別は1992年に調査したときが16でしたから10年近く前とほぼ同規模ということになります。広大な餌場をもつ沿岸型の繁殖地にくらべ、愛別のような内陸は基本的に餌場が少ないので、近くに養魚場でもできない限りこれ以上規模が拡大することはないでしょう。かといって消滅することもなく、小規模ながらもがんばってるなという感じです。一方、今回はじめて調査した鷹泊も同じような環境ですが、こちらのほうが巣の数はやや多めでした。

2001/09/11(Tue) 09:14      まつ@管理人      道東に追加1

情報提供により、リストに中西別のコロニーを1ヶ所追加しました。巣数14、広葉樹の河畔林に営巣しているようです。最近新設されるコロニーは河畔林か針葉樹の防風林が多いように思います。

2001/08/12(Sun) 16:42      まつ@管理人      リストへの追加

分布図および一覧表に、名寄、帯広、長万部のコロニーをつけ加えました。また、これまで遠軽コロニーとしていたのは、同じ遠軽町に新たなコロニーができたので、古いほうを瀬戸瀬コロニー、新しいのを学田コロニーとして区別しました。

2001/07/03(Tue) 19:02      まつ@管理人      ゴルフ場にも?

苫小牧のゴルフ場にアオサギの巣があるという噂を聞きました。四方開けていて巣からの見晴らしはよさそうです。ゴルフされる方、どこのゴルフ場か御存じないでしょうか?


2001/08/05(Sun) 14:20      まつ@管理人      Re: ゴルフ場にも?

上のはなし、苫小牧のゴルフ場近辺でよく見かけるというだけで、ゴルフ場にコロニーがあるのではないようです。お騒がせしました。多分、苫小牧コロニー(ウトナイ湖近くにある)からの個体が飛んでいるのだと思います。ゴルフ場になくてほっとしたような、残念だったような・・・。

2001/07/20(Fri) 21:22      佐原      青森県のアオサギコロニー

青森県のアオサギコロニーは、現在は東部に知られているばかりです。しかしかつては西(津軽地方)にゴイサギ・カワウとの、3種混合の大きなコロニーがありました。1960年代に急速に個体数が減少し、ついに繁殖群がゼロになり、その後ゴイサギのみは復活してきたものの、他2種は消滅したままです。ただ、近年アオサギを本来の繁殖期に見かける頻度が増加してきたように思います。あるいはすでに小規模コロニーがどこかにある可能性も大きいです。今後、注意して見守っていくつもりです。

2001/06/30(Sat) 14:34      まつ@管理人      名寄、帯広、長万部

どなたか帯広のまち中にあるコロニーってご存じですか。あと長万部と名寄のコロニーも。これらは最近得た情報なので当サイトのリストにもまだ載せてません。もし何かご存じであればここに書き込んでいただだけるとうれしいです。あと、八雲や温根沼のあたりにもあるのではと思うのですがどうでしょう?

2001/06/21(Thu) 19:02      まつ@管理人      繁殖地の情報

このサイトでは繁殖地の情報を広く集めています。私が調査を始めた10年前、北海道で確認のとれたアオサギ繁殖地(コロニー)はせいぜい40ヶ所弱でした。現在は既に消失したコロニーも含めると70ヶ所以上になります。この中には10年前からあったにもかかわらず確認が漏れてしまった箇所もありますが、コロニーが近年徐々に増えつつあるのは確かなようです。北海道以外の地域でもコロニーは増えているのでしょうか?

2001/06/17(Sun) 11:35      まつ@管理人      よろしくお願いします

このサイトに用意した資料は今のところ北海道のものしかありません。これは私が調査していた場所が北海道だったためで、もちろん道外からの情報も大歓迎です。得られた情報はこのサイトのデータに反映して誰でも共有できるものにしたいと思います。情報のご提供よろしくお願いします。

ページの先頭に戻る