アオサギを議論するページ

巣立ち時期

巣立ち時期

2004/08/28(Sat) 18:13      まつ@管理人      北のアオサギ、南のアオサギ

東京のアオサギはまだ繁殖期が終わっていないようですね。私のHPからリンクしている「アオサギネット」の掲示板を見ると、そんなことが書かれていました。南の地方のほうが早くから繁殖が始まるのは確かなのですが、だからといって必ずしも早く終わるわけではないということですね。今年だけのことなのか毎年そうなのかは分かりませんが‥。

北海道の場合は、地方によって多少のずれはありますが、基本的には3月中旬に渡ってきて、4月が抱卵期、ゴールデンウィーク頃にヒナ誕生のピークを迎えます。5月、6月が育雛期で、7月上旬には巣立ち始めます。繁殖を遅く始めるつがいもいるので、結局7月いっぱいは巣立ち期が続きますが、8月になるとさすがにコロニーは閑散としてきます。よほどのアクシデントがあったとしても、お盆を過ぎてまだ巣立ってないということはまずあり得ません。

もし北のアオサギのほうが繁殖期を早く切り上げる傾向があるとすれば、それは渡りが関係しているのかもしれません。秋に渡りをするアオサギは、巣立ってから渡りまでの期間に、渡りに耐えられる体をつくらなければなりませんから。あまり遅く巣立ったのでは間に合わないのでしょう。


2004/08/29(Sun) 23:02      まつ@管理人      Re: 北のアオサギ、南のアオサギ

ついでに、北と南の違いということでもうひとつ紹介します。
「緯度が高いほうが巣立ちヒナ数が多い」というもの。こちらは、複数の研究者が同じ結果を報告しています。

考えて見れば、はるばる遠距離を移動して北を目指すのですから、当然そのくらいのメリットはあって欲しいものです。
問題は、そうなる理由。餌が絡んでくることは間違いないのですが、餌の絶対量の話になると基準が曖昧で、ここで簡単に問題にできるものではなさそうです。
ただ、ひとつだけ、とてもすっきりした説明があるのです。それは、北へ行くほど日が長くなるということ。つまり、北へ行くほど長い間、餌を採っていられるわけですね。

現在、アオサギが繁殖しているところで最も緯度の高いところはノルウェーです。そこまで行くともうほとんど白夜。あちらのアオサギは一日中働いて大家族を養っているのでしょうか??


2004/09/11(Sat) 18:10      しらい@アオサギネット      Re: 北のアオサギ、南のアオサギ

繁殖時期がずれるアオサギのことですが、多摩川中流域では時々みられます。97年の繁殖でも9月上旬まで繁殖していた巣がありましたし、その後、何回かは8月下旬に巣立ちという巣がありました。今年は、まだ繁殖中の個体がいます。

おそらく、繁殖初期のエサ環境や気候、繁殖地自体の要因がからんでいるのではと考えています。例えばエサ環境で言うと、この繁殖地は多摩動物公園内にあります。動物園ではオープンエアの池でペリカンやツルを飼育しており、ここに定常的に餌を入れています。アオサギはその餌を失敬しているので、多少繁殖期が遅くなっても、安全に、安定して魚を得ることができるようです。気候についても、繁殖初期(造巣期など)に嵐があると営巣放棄してしまうので、ある程度繁殖数が抑制されるはずが、嵐がなかったので営巣を継続できたのでは?とか、考えられることはいくつかあるのですが、繁殖期がずれることについてはまだよく分かりません。今年の現象について、もうすこし整理すると分かることがあるかもしれません。


2004/09/12(Sun) 03:38      まつ@管理人      Re: 北のアオサギ、南のアオサギ

まだ子育てが終わってないとは驚きました。何故かと思えば、動物園という特殊な環境が一因でしたか。それだけが理由ではないでしょうけど、いつまでも安定した餌量が確保されるというのはアオサギにとってかなりの魅力でしょうね。

巣立ち時期のずれについての私の考えですが、やはり一番大きく利いてくるのは、渡りをするかしないか、また渡りまでにどれくらいの時間的余裕がとれるか、という部分だと思います。まずそれによって、地域ごとに繁殖の終了時期が大雑把に決まります。次に、その枠組みの中で、それぞれの生息場所の特殊性(餌場や営巣場所の環境、捕食者、気象、等々)が反映され、時期に微調整が加えられるのだと思います。面白いのですが、きちんと整理しようとするとややこしくなりそうな問題です。

2001/08/25(Sat) 22:46      まつ@管理人      巣立ちの時期は・・・。

東京の多摩動物園にあるコロニーは今ようやく巣立ちが終わったところだそうです。ここ北海道のコロニーはもう一月も前にほとんど空だったんですけどね。普通に考えれば、より南の地域のほうが早くから繁殖が始められてさっさと巣立つように思うのですが・・・。動物園という特殊な環境のせいでしょうか?


2001/08/30(Thu) 10:16      白井たけし      Re: 巣立ちの時期

私が観察をしている多摩動物園では、今年は全体のうち少なくとも2つの巣が8月まで残っていました。ほとんどの巣は遅くても7月には巣立っていたと言う状況ですが、その巣では、7月ごろにヒナの声が聞こえはじめたので、単純に遅れて繁殖を始めたつがいなのだと思います。遅れて繁殖を始める例は以前から確認していて、渡りの時期の違いなのだと思っています。アオサギがいつも食べ物をとっていた場所は、オープンエアになっているペリカン池なのですが、まわりに20羽も立つと一杯になるので、動物園の餌だけでなく、近くの多摩川や浅川(支流)に取りに行っていたようです。


2001/08/30(Thu) 19:54      まつ@管理人      Re: 巣立ちの時期

ほとんどは7月中に巣立っていたのですね。納得しました。私が見たケースですが、道東の標津町のコロニーでも8月まで巣立ちがずれ込んだペアが何組かいました。標津の場合は普通であれば巣立ちは7月中に終わります。が、その年の春は抱卵期に何らかのアクシデント(たぶん山菜取り)があり、多くの個体が一斉に繁殖に失敗しました。その後、5月半ばから再び繁殖をやり直したので巣立ち時期も遅くなったわけです。ところで、巣立ち時期は、白井さんが書かれているように遅く渡って来るのがいたり、営巣中にいろんなハプニングがあったりするので年較差が大きくなってしまいますが、繁殖の開始時期のほうは毎年だいたい同じように思います。北海道の場合は3月下旬頃です。東京の方はもう少し早く始まると思うのですが、どうでしょう?

アオサギが餌を横取りする光景はあちこちの動物園で定番になってるようですね。釧路の動物園ではタンチョウのゲージにやって来るようです。

ページの先頭に戻る