観察情報 2011年
観察情報 2011年
2011年は「ぴかまるさん」と「ももぴょんさん」から多くの観察情報が寄せられました。おふた方の投稿については分量が多いため、それぞれ別にページを設けています。以下のリンクから御覧ください。
今回は北海道もよく降りました。雨が降ると心配なのは川の増水。水辺を餌場にするアオサギは濁流がどくどく流れているような川ではとても採餌できません。成鳥なら多少食べられなくてもすぐに餓死するようなことはないでしょうけど、ちょっと前に巣立ったばかりの幼鳥は、普通でも満足に餌がとれないような状態ですから、今回のような状況だとかなり厳しいことになりそうです。
そんな中、前に書いた江別の4羽兄弟のヒナたちがようやく巣立ちました。写真はコロニー直下の水辺に降りたヒナです。まだ夕方には巣に戻って親が餌を持ってくるのを待ったりしていて、まるっきりコロニーからいなくなったわけではないのですが、もう10日以上前から自由に飛んでますし、ほぼ巣立ったといっても差し支えないでしょう。
じつは、このコロニーには4羽兄弟のほかにやや離れてひとりっ子の巣があり、この2巣が最後まで残っていました。ひとりっ子のほうは若い親が育てていましたから、こんな遅くまでがんばったのは本当に驚くべきことです。近くで子育てを続けている親がいなければ、おそらく途中で諦めていたことでしょう。4羽兄弟もひとりっ子も成長段階がちょうど同じだったのも幸いしたかもしれません。結局、巣立ちも一緒になりました。いずれにしても、9月に入ってまだコロニーにサギたちの姿を見るとは思いませんでした。3月半ばから始まり、ほとんど6ヶ月に及んだアオサギの子育てシーズンも、これでようやく閉幕です。
とはいえ、今回はヒナたちの巣立ち時期としては最悪でした。これだけ降ると雨は止んでもしばらく水は引かないでしょうし、本来の餌場が戻ってくるのには時間がかかります。それまでなんとか持ちこたえればいいのですが。
ただ、餌場について言えば、川が増水するとすべて無くなってしまうわけではなく、新たにできる餌場もあります。写真は石狩川に注ぐ支川です。手前のほうは普段は陸地ですが、増水すればご覧のように水に浸かってしまいます。こういう所は、本来の餌場が利用できないときは意外と穴場かもしれません。水があるていど退けば、水たまりに取り残される魚がいるかもしれませんし。大雨も悪いことばかりではなく、そこを何とか凌げば、自然も多少の気配りはしてくれるのかもしれません。
2011/08/14(Sun) 20:51 まつ@管理人 続・シーズン最終盤
ひと月以上前に、「シーズン最終盤」のタイトルで記事を書いておきながら、じつはまだ終わっていません。細々とながら未だに続いています。コロニーがだんだん寂しくなってきたな、と思ってからが意外に長いのは毎年のこと。それでも、8月上旬にはぱらぱらとしか見かけなくなり、今頃は1羽もいなくなっているのが札幌近郊だと普通です。ところが、今年はまだがんばっているところがあるのですね。
札幌近郊の江別コロニーでは、今年は170つがいほどが営巣しました。3月中頃にコロニーにやってきて、求愛や巣作りをした後、4月いっぱいは抱卵期。ゴールデンウィーク頃に次々とヒナが誕生し、約2ヶ月後、7月初め頃からどんどん巣立ちはじめます。ただし、それは全て順調にいった場合の話。ひと月くらい遅れてやってくるのもいますし、途中で失敗して再営巣するのもいます。なので、全てのサギがコロニーからいなくなるのは8月に入ってからなのです。
再営巣はアオサギではよくあることで、繁殖期の早い段階にやり直せれば、他より多少遅れてもヒナを無事巣立たせられます。これがあまり遅くなると、ヒナは生まれても最後まで育てることができず、周りからサギの姿が少なくなる頃には、そういった巣は徐々に放棄されていきます。江別コロニーでも7月半ばまでは再営巣で小さなヒナを育てている巣がいくらかありました。ただ、その時期にまだ孵化後3週目ていどだと、ほぼ例外なく上手くいきません。繁殖期自体が長いもっと南の地方であれば、かなり遅くなっても大丈夫かもしれませんが、北海道の場合はそういうわけにもいかず、これ以上はもう無理というタイミングがかなりシビアに決まっているようです。
ところが、今年の江別コロニーには、そんなことにお構いなく黙々と営巣を続けているところがあるのです。その巣のヒナは、現在、孵化後6週目というところ。ここもじつは再営巣した巣で、1回目の営巣の時は5月半ばにヒナを確認しています。ここまでは子育てのスケジュールとしてほぼ標準。ところが、5月末にハシブトガラスにヒナが襲われ失敗してしまったのです。その後、間もなく営巣を再開し、2度目のヒナが生まれたのは7月初旬のようです。他の巣のヒナが巣立ちはじめる頃にようやく生まれたわけですから、ざっと2ヶ月もの差があります。本来なら、7月中に親が諦めてしまうのが普通ですが、ここの親はがんばりました。見ていた範囲では一度も兄弟げんかがありませんでしたから、親は十分な餌を与えていたのでしょう。3週目、4週目頃までは、いつ空っぽの巣になってもおかしくないと思って見ていましたが、6週目ともなればもう大丈夫です。
じつは、何が素晴らしいといって、ここの親はヒナを4羽も育てているのです。今年、江別のコロニーから巣立ったヒナは、1巣あたり約2.3羽というところです。2羽か3羽が普通で、4羽のところは全体の1割あるかないか。4羽巣立たせるというのはそれだけ大変なのです。しかも、再営巣では1回目の営巣時より産卵数が少ないとされています。それなのに、この時期に4羽です。カラスにやられても、たんたんとやり直し、記録的な遅さで、しかも4羽ものヒナを育てている、ここの両親は間違いなく、今シーズン、江別コロニーのMVPです。この先、ヒナたちが完全に巣立つまで2、3週間。なんとか全員無事で巣立ってほしいものです。
2011/07/13(Wed) 22:48 まつ@管理人 シーズン最終盤
ここ札幌周辺では、アオサギのシーズンもそろそろ最終盤というところです。コロニーを訪れるたび、空になった巣が増え、見かけるヒナの数がだんだん少なくなってきました。
この時期になると、ヒナが巣立っていく他はとくに変わったことは起こりません。親が餌を運んできても、一時期のように兄弟間の壮絶な争いはなく、餌の食べ方にもかなり余裕が感じられるようになります。他のヒナが餌をもらっているのに、我関せずとただ眺めているだけのヒナもいて、食欲だけをモチベーションに生きてきたあの同じヒナとは思えないほどです。ほんの何週間かのことなのですがずいぶん変わるものです。
ということで、ここまで大きくなると飢えて死ぬことはまずありません。あとは時が来れば思い思いに巣立っていくだけです。何事もなく…。
と思っていたら、写真のような状況を目にしました。この写真、何がおかしいのか分かるでしょうか? 巣をよく見ていただくと、右方向に45度ばかり傾いているのが分かるかと思います。巣が崩れたのではありません。じつは、この巣のかかっている太い枝が枝ごと折れて傾いたのです。この結果、巣の位置はもとあった場所から5、6もメートル下がってしまいました。よくこの程度で済んだものです。災難とはいえ案外ラッキーなヒナたちなのかもしれません。
ここは3羽兄弟。皆、無事でした。この時点で孵化後8週目か9週目。ご覧のように既に巣から出て歩き回っており、おそらくもう飛ぶこともできるはずです。枝が折れるのがあと半月も早ければ危ないところでした。
巣も、一応、傾きながらもついています。これは意外と重要なことで、巣があるのと無いのとではずいぶん違うのです。この大きさのヒナですから巣が無いと腰を下ろして休むこともできない、ということはありません。ただ、これが無いと食事が満足にできないのです。アオサギのヒナはあるていど大きくなると口移しで餌をもらいます。ところが、アオサギというのは兄弟でわいわいやりながら乱暴に親のくちばしを引っ張るので、かなりの餌が誰の口にも入らず下にこぼれてしまうのです。巣はそのための受け皿でもあります。これが無いとどうなるかはご想像の通りです。
幸い、この巣は傾きながらも受け皿の役目は果たしているようです。親から餌をもらうのを見ていると、バラバラと下に落ちる餌もいくらか見えますが、巣に引っかかる餌もけっこうあります。それを親が巣を離れた後にヒナたちがひとつうひとつ拾い集めるのです。もうそれほど空腹でないのか、親鳥がいたときあれほど騒々しく餌をねだっていたヒナたちも、自分たちだけになった後はもう誰と争うでもなく、思い出したようにゆっくりゆっくり餌をついばんでいきます。
そんな光景が見られるのもあとわずかとなりました。
2011/06/24(Fri) 14:18 ダミアン 無題
福島在住です。先日、奥会津のアオサギのコロニーのそばを通りました。2~3年前に通ったときよりも数が増えているような気がしました。詳しく調査したいですが遠いんですよね(汗
こちらの方のコロニーについても何か情報をお持ちでしたらよろしくお願いします。私が住んでいる地域ってサギ類が少ないんですよね。
2011/06/24(Fri) 22:24 まつ@管理人 Re: 無題
私はこんなサイトをつくっていますが、実際に見ているのは北海道のアオサギだけで、道外の状況がどうなっているのかはじつはほとんど知りません。みなさんが書かれた内容を見てうっすら想像するくらいです。福島のアオサギについても私が知っているのは環境省が日本野鳥の会に委託している自然環境保全基礎調査の結果http://www.biodic.go.jp/reports2/6th/6_bird_species/pdf/aosagi.pdfくらいなもので。これを見ると会津のほうにいくつかコロニーがあるようですね。もっとも、この調査は10年も前のことですし、かなり粗い調査でもあるので、全体の傾向をつかむ程度にしか役立たないと思いますが。
奥会津のアオサギコロニー、調査できるといいですね。そのときはぜひご報告いただければと思います。
2011/05/09(Mon) 07:32 まつ@管理人 嵐の後
ゴールデンウィークも終わってしまいましたね。この間、ヒナの誕生ラッシュだったコロニーも多かったのではないでしょうか。北海道は連休中、みぞれや雪の舞うあいにくの天気でしたから、生まれたばかりのヒナには最初からずいぶん苛酷な環境だったと思います。寒さや雨もさることながら、サギたちにとって一番気の毒だったのは猛烈な風。ヒナのところも卵のところも関係なくかなりの被害があったようです。
風の翌日に訪れたコロニーでは、巣が1mほどずり落ちているのを目撃しました。しかも落ちかけの巣にはまだ卵が…。親鳥は落ちかけの巣に座るわけにもいかず、巣のすぐ傍らでただ立ち尽くすしかないようでした。別のコロニーでは枝があちこちで折れており、巣が幹ごと風にもっていかれて跡形もなくなったところもありました。
ただ、このように被害の様子があからさまに分かるケースはむしろ少なく、一見変化がないように見えて実は被害を被っている場合は意外と多いのではないかと思います。というのは、それだけの風が吹く中、親鳥が巣に留まっていられるのかという疑問があるからです。もともと大揺れに揺れる木のてっぺんで暮らしている鳥ですから、相当な風でも平気なのは確かです。けれども、折れた枝が飛んできたり周りの木が幹ごと折れるような暴風の中、それでも巣に留まり続けるのかどうか。アオサギの場合、身の危険を顧みず、何が何でも卵やヒナを守るということはあり得ないですから。人間の価値観で考えると無慈悲なように思えますけど、彼らは自分の身に何かあれば、その時点で卵もヒナもアウト。まずは自分の命を確保することが最重要です。そう考えると、これは限界というところで親鳥が巣を離れたとしても不思議ではなく、そうなれば後に残された卵やヒナには風の猛威に抵抗する術はありません。そのような条件で観察したことがないので本当のところは分かりませんが、こんなふうに犠牲になる卵やヒナは少なくないのではないかと思います。
2011/04/03(Sun) 22:47 Ogasawara コロニー見てきました。
学生時代、弘前大の修士課程でゴイサギの研究をしていたので、こっちではアオサギも見に行こうと思ってました。そしたらなんとコロニーの一覧があるではないですか。凄いです。さぞ大変だったのではと思いました。
そろそろ渡って来ているだろうと思い、一覧にあるコロニーから、嵐山・滝川・砂川・野花南の4か所を見てきました。野花南では確認できませんでしたたが、他三箇所ではいずれも元気に巣材運びに勤しんでいました。
サギたちが巣を作る様子を見ると、ほんとに春が来たな〜と実感します。家から割と近いので、ちょいちょい見に行きたいです。
2011/04/05(Tue) 01:46 まつ@管理人 Re: コロニー見てきました。
コロニーの一覧を参考にしていただいたということでありがとうございました。まさにOgasawaraさんのような使い方を期待して作ったリストです。ただ、一覧をまとめたのがもうずいぶん前のことで、現状と照らし合わせて必ずしも正しい記述にはなっていません。たとえば、嵐山では現在、記載の場所にいるのは全体の一部で、ほとんどはそこから200メートルほど北側の林に移動しています。新しいコロニーのほうが見やすいところにあるので、こちらのほうを見られたかもしれませんね。砂川のコロニーは鉄道防風林が大規模に伐採されたため規模がずいぶん縮小したようです。野花南のコロニーはもともとそんなに大きなコロニーでなかったので、もしかすると消滅したのかもしれません。まだあるとすれば、川の下流側の橋から遠望できると思います。
本当は新しい情報を得るごとにどんどん修正していくべきなのでしょうけど、なかなか手が回らず、皆さんにご迷惑をおかけしています。いずれは何とかしたいと思いますので、記載と現状に食い違いがありましたら教えていただけると有り難いです。
ところで、北海道でサギと言えばほとんどがアオサギですが、ゴイサギもたまに思いがけないところで見かけることがありますよ。そう言えば、20年近く前に道東の西別川でアオサギにいじめられていたゴイサギを助けたことがありました。川の縁でアオサギが数羽、何かわいわいやっていて、飛び立ったと思ったら、1羽が川に落ちて流されていったのです。で、助けてみるとゴイサギだったというわけです。いま思い返しても昔話のような、ちょっと不思議な出来事でした。
2011/03/11(Fri) 10:34 まつ@管理人 営巣期直前の日々
皆さんのところのアオサギはもう巣づくりを始めたでしょうか?
北海道はまだこれからという所が多そうですね。江別のコロニーはまだ渡りのサギたちが飛来するのを待っているところ。ねぐらで越冬していた十数羽は、気が向けばコロニーに出向き、コロニーで落ち着くのかなと思えばまたねぐらへ、といったどこかふわふわした日々を送っています。おそらく、ここ1週間から10日ぐらいはこんな感じが続くのではないでしょうか。その間に全体の2割ていど、100羽ほどのサギが渡ってくるはず。そうなれば、コロニーにずっと留まるようになり、いよいよ本格的に営巣開始です。
こちらで越冬したサギたちは、渡りのサギがいつ来るのかとそわそわした気分なのだと思います。午前中、コロニーに向かい、そこで渡りの連中が来てなければ、「ああ、今日は来ないんだな」と諦めてねぐらへ戻る。きちんと調べた訳ではありませんが、どうもそんなパターンがあるような気がします。
アオサギのくちばしは薄くオレンジ色に染まっている程度でまだ鮮やかな婚姻色は出ていません。けれども、ねぐらで餌を探す光景は真冬には見られなかったこと。繁殖期を目前にして、アオサギの行動にも少しずつ変化が現れているようです。
写真は一昨日、ねぐらとなっている水辺で撮ったもの。少し前からいるオオダイサギとのツーショットです。白い色のせいもあるのでしょうけど、オオダイサギのほうがアオサギよりいくぶん大きく見えますね。
2011/03/07(Mon) 12:44 まつ@管理人 春の兆し
写真は北海道江別市にあるアオサギコロニーです。巣には雪帽子が多少残るものの、すでに真冬の様相はなく、どことなく緩んだ感じの雪景色です。コロニー下の水辺も完全に開いています。
今日の早朝、ここに4羽のアオサギが来ていました。ついに今年もそういう時期になったんですね。彼らがコロニーに飛来するのは今日が初めてか、そうでなくても昨日、一昨日あたりからだと思います。それ以前は大雪でしたから。
ところで、コロニーへ飛来したと言っても渡りの群れが到着したわけではありません。いまコロニーにいるのはおそらくこの近くのねぐらで越冬したサギのはず。渡りのサギがやって来るのはもう少し先になるでしょう。もっとも、それも時間の問題で、3日後か4日後か。おそらく、あさっての荒天が収まって、その後ほど良い南風でも吹けば第一陣がやって来るのではないでしょうか。
2011/02/25(Fri) 19:46 まつ@管理人 冬ねぐら
アオサギ初飛来のニュースが各地から届く季節になってきました。今年は暖かそうですから、まだ来ていない所もいつもより早く飛来するかもしれませんね。北海道はまだ秒読みというところまではいきませんが、それでももう2週間とはかからないと思います。
冬の間、サギたちがどのような暮らしをしているのかは、繁殖期に比べるとまるで分かっていません。おそらく、研究の数も繁殖期を10とすると冬季間は1も無いのではないでしょうか。どの程度の量の餌を食べているのかという基本的なことさえ十分には分かっていないのです。ただ、冬の間の死亡率が高いところを見ると、やはり夏のようには食べれていないのは確かなのでしょう。
北海道江別市の冬ねぐらでは毎年20羽前後のアオサギが冬を越しています。これだけまとまった数で越冬する場所は国内ではここが北限です。こんな条件の厳しいところでわざわざ越冬しなくてもといつも思うのですが、雪が降っても水面が凍っても冬ねぐらの彼らは意外にも悠々として見えます。ただ、なぜか1月から2月にかけての厳冬期は見かける頻度が少なくなるのですね。さすがにその時期になると、ねぐらで暇つぶししている余裕は無いということでしょうか。
写真は江別のねぐらで先週末に撮ったものです。この時、ねぐらにいたアオサギは2羽。珍しいことにダイサギが1羽来ていました。この時期のダイサギなのできっとオオダイサギでしょう。オオダイサギが北へ帰る頃になれば、入れ替わりに南からアオサギが渡ってくるはずです。それももう間もなくのこと。
さて、そんな時期なもので、毎年恒例の『「アオサギ繁殖前線」をつくろう!』のページを作ってみました。ここしばらくは右のサイドバーのお知らせ欄にも置いておきます。御覧いただければ幸いです。
2011/02/17(Thu) 11:22 まつ@管理人 おそらく今年も一番乗り
北海道でも早いところはもう営巣の準備が始まっているようです。
写真は帯広市内にある水光園のアオサギ。おとといの15日、ここのコロニーで8羽のアオサギを確認しました。そして、このうち2羽は同じ巣に並んで立っていました。じつはこの付近はアオサギの越冬場所になっていることもあり、このコロニーが使われはじめるのは道内では特別早いのです。
ただ、コロニーに居着くようになってもすぐ本格的な営巣活動に入るわけではないように思います。おととい見たサギたちも婚姻色はまだほとんど出ていませんでした。もしこの時期からやる気満々で巣づくりを始めたとすると、遅くとも3月中にはヒナが生まれることになります。それは北海道ではちょっと考えられません。道東のほうは真冬より春先のほうがドカ雪になることが多いと思いますし、そんな時期にヒナがいたのではリスクが高すぎます。おそらく、この時期は気が向いたら巣材をとってくる程度で、本格的に始めるのはまだしばらく先、結局はこの地域の他のコロニーとそれほど変わらない時期になるのではないでしょうか。これは私の推測に過ぎないので、もし水光園のアオサギを観察している方がいらっしゃれば、是非ご意見や情報をいただければと思います。
それにしても、冬、十勝で撮った空の青いこと。どの写真を見ても、バックは決まって青空です。
2011/01/07(Fri) 19:46 まつ@管理人 氷上のサギたち
昨日、今日と荒れ模様の札幌です。雪もまあまあ積もり、これでようやく冬の底に辿り着いたという感じですね。
写真は、そんな天気の中、水辺に佇む一群れのアオサギたちです。右側の中央付近、ヨシ原の陰に胡麻粒のように見えるのが分かるでしょうか? 水辺と言っても今はすっかり凍っているので、彼らがいるのは実際は氷の上です。そして、彼らの餌は氷の下。こんな天気の中を外で凌がなければならないだけでも大変そうなのに、餌もろくに獲れなれない状況を見ると、なぜこんなところでわざわざ越冬するのだろうと、毎年のことではありますが首を傾げたくなります。
右の写真は、つかの間の晴れ間で明るくなったところをクローズアップしたもの。このとき確認できたのは6羽でした。ところで、不思議なことに、この群れのうち成鳥は2羽しかいません。残りはみな去年生まれの幼鳥です。この場所では今年も20羽前後が越冬していますが、そのうち幼鳥はおそらくこの4羽しかいません。つまり、他のサギたちがねぐらを離れても幼鳥だけは残っているわけです。成鳥と幼鳥では餌獲りの技術に差があるので行動パターンが同じにならないのは分かるのですが、こんなふうに幼鳥だけ(とは言っても、成鳥も混じっていますが)でいると、環境が環境なだけにまともに食べれているのか心配です。厳冬期はまだ始まったばかり。春までなんとか生き延びてほしいものです。