アオサギを議論するページ

営巣期直前の日々

皆さんのところのアオサギはもう巣づくりを始めたでしょうか?
北海道はまだこれからという所が多そうですね。江別のコロニーはまだ渡りのサギたちが飛来するのを待っているところ。ねぐらで越冬していた十数羽は、気が向けばコロニーに出向き、コロニーで落ち着くのかなと思えばまたねぐらへ、といったどこかふわふわした日々を送っています。おそらく、ここ1週間から10日ぐらいはこんな感じが続くのではないでしょうか。その間に全体の2割ていど、100羽ほどのサギが渡ってくるはず。そうなれば、コロニーにずっと留まるようになり、いよいよ本格的に営巣開始です。

こちらで越冬したサギたちは、渡りのサギがいつ来るのかとそわそわした気分なのだと思います。午前中、コロニーに向かい、そこで渡りの連中が来てなければ、「ああ、今日は来ないんだな」と諦めてねぐらへ戻る。きちんと調べた訳ではありませんが、どうもそんなパターンがあるような気がします。

アオサギのくちばしは薄くオレンジ色に染まっている程度でまだ鮮やかな婚姻色は出ていません。けれども、ねぐらで餌を探す光景は真冬には見られなかったこと。繁殖期を目前にして、アオサギの行動にも少しずつ変化が現れているようです。

写真は一昨日、ねぐらとなっている水辺で撮ったもの。少し前からいるオオダイサギとのツーショットです。白い色のせいもあるのでしょうけど、オオダイサギのほうがアオサギよりいくぶん大きく見えますね。

人工営巣木 その3

サギの営巣シーズン、今年も始まりましたね。この時期になるとネット上でもサギ関連のニュースが少しずつ増えてきます。ニュースの内容はというと、やはりこの時期ですから、どこどこのコロニーにサギがやってきたという季節の話題が大半。けれども、たまには本来のニュース的な内容のものもあります。

今回紹介するのは人工営巣木設置のニュース。アメリカ、ウイスコンシン州のオオアオサギの話題です。なんでも、オオアオサギが利用していた木が枯死したので、代替となる人工営巣木をつくったということのようです。これは地元の自然保護団体が企画したもので、作業のほうはエネルギー関連の民間会社が行っています。詳しくはWSAW.comというテレビ局のサイトに記事と動画があるので御覧になって下さい(追記:動画は削除されたようです。作業の様子と完成した人口営巣木の写真はこちらのページ(4ページ目)で見られます)。

インタビューで、黄色いヘルメットの作業員?が「(人工営巣木の設置は)動物の世界へのお返し(giveback)のようなもの」と言っていたのが印象的でした。じつは、ここの会社は仕事としてでなくボランティアでやっているのですね。だからこそ、givebackという言葉も自然に出てくるのでしょう。

人工営巣木については少し前にも書いたことがありました(この記事とかこの記事)。面白いことに、これらはいずれも今回と同じウィスコンシンの事例なんですね。同じ州内のことだから何かガイドラインがあってそれに沿ってやっているように思いますが、そういうわけではないようです。州が単独でやることもあれば官民協同の場合もあり、そして、今回の事例のようにNPOと民間の会社のボランティアだけでやっていることもあります。だから、人工営巣木の形状も様々です。この自発的多様性というか、変に画一化されてないところがいいですね。

ただし、ひとつ気になるのは今回の映像にあった人工営巣木の形状。見たところそれほど穏やかな気象条件のところとも思えませんし、そこそこの強い風に煽られれば、あのつくりでは巣の台座ごと吹き飛ばされるのではと心配でなりません。もし私がオオアオサギなら、あの上での子育てはちょっと遠慮したいところです。

春の兆し

写真は北海道江別市にあるアオサギコロニーです。巣には雪帽子が多少残るものの、すでに真冬の様相はなく、どことなく緩んだ感じの雪景色です。コロニー下の水辺も完全に開いています。

今日の早朝、ここに4羽のアオサギが来ていました。ついに今年もそういう時期になったんですね。彼らがコロニーに飛来するのは今日が初めてか、そうでなくても昨日、一昨日あたりからだと思います。それ以前は大雪でしたから。

ところで、コロニーへ飛来したと言っても渡りの群れが到着したわけではありません。いまコロニーにいるのはおそらくこの近くのねぐらで越冬したサギのはず。渡りのサギがやって来るのはもう少し先になるでしょう。もっとも、それも時間の問題で、3日後か4日後か。おそらく、あさっての荒天が収まって、その後ほど良い南風でも吹けば第一陣がやって来るのではないでしょうか。

冬ねぐら

アオサギ初飛来のニュースが各地から届く季節になってきました。今年は暖かそうですから、まだ来ていない所もいつもより早く飛来するかもしれませんね。北海道はまだ秒読みというところまではいきませんが、それでももう2週間とはかからないと思います。

冬の間、サギたちがどのような暮らしをしているのかは、繁殖期に比べるとまるで分かっていません。おそらく、研究の数も繁殖期を10とすると冬季間は1も無いのではないでしょうか。どの程度の量の餌を食べているのかという基本的なことさえ十分には分かっていないのです。ただ、冬の間の死亡率が高いところを見ると、やはり夏のようには食べれていないのは確かなのでしょう。

北海道江別市の冬ねぐらでは毎年20羽前後のアオサギが冬を越しています。これだけまとまった数で越冬する場所は国内ではここが北限です。こんな条件の厳しいところでわざわざ越冬しなくてもといつも思うのですが、雪が降っても水面が凍っても冬ねぐらの彼らは意外にも悠々として見えます。ただ、なぜか1月から2月にかけての厳冬期は見かける頻度が少なくなるのですね。さすがにその時期になると、ねぐらで暇つぶししている余裕は無いということでしょうか。

写真は江別のねぐらで先週末に撮ったものです。この時、ねぐらにいたアオサギは2羽。珍しいことにダイサギが1羽来ていました。この時期のダイサギなのできっとオオダイサギでしょう。オオダイサギが北へ帰る頃になれば、入れ替わりに南からアオサギが渡ってくるはずです。それももう間もなくのこと。

さて、そんな時期なもので、毎年恒例の『「アオサギ繁殖前線」をつくろう!』のページを作ってみました。ここしばらくは右のサイドバーのお知らせ欄にも置いておきます。御覧いただければ幸いです。

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